ルフィ「……」
ウタ「……」
ルフィとウタは船首に座っていた。
ウタ「ふふっ…」スリスリ…♡
ルフィ「……」
ふたりは共に"新時代"を作るため、偉大なる航路 グランドラインでの航海を続けていた。
ルフィ「ウタ…」
ウタ「なに…?ルフィ…」
ルフィ「お前の歌が聴きたい」
ウタ「ふふ。いいよ」
スッ……
ウタは、歌の伴奏が録音された音貝 トーンダイアルを出した。
ルフィ「……」
カチッ
•*¨*•.¸¸♪
ルフィ「……」
ルフィは目を閉じ、歌に耳を澄ませる。
ウタ「……スゥ…」
「この風は どこからきたのと♫」
「問いかけても 空は何も言わない♫」
「この歌は どこへ辿り着くの♫」
「見つけたいよ 自分だけの答えを♫」
「まだ知らない海の果てへと 漕ぎ出そう♫」
「ただひとつの夢 決して譲れない♫」
「心に帆を揚げて 願いのまま進め♫」
「いつだって あなた ルフィへ 届くように 歌うわ♫」
「大海原を駆ける 新しい風になれ♫」
ルフィ「ありがとな。ウタ」
ウタ「どういたしまして。言ってくれたらいつでも歌ってあげるから」
ルフィ「ああ。ありがとう」
ウタ「うん」
ウタは嬉しかった。
自分のいちばん大切な人に、自分の歌を聴いて喜んでもらえることが。
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ルフィはウタに歌ってもらうのが好きだった。
そのためよく歌のリクエストをしていた。
ルフィ「ウタ。また歌ってもらっていいか?」
ウタ「うん。もちろんだよ」
……スッ……カチッ
ジンベエ「……」
ジンベエは舵を握り、船の操縦をしていた。
ジンベエ(風がない……こりゃ進まんのお……)
.•*¨*•.¸¸♫✧
ジンベエ「!」
ジンベエ(心が安らぐわい……)
.•*¨*•.¸¸♫✧
ジンベエ「」ニコッ…
ヒュォォォォ…
ジンベエ「おお…!いい風が吹くのう…!」
ウタ「——♫」
ルフィ「……」
ジンベエ「はは…!」
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サンジ「」トントントントン
サンジはみんなの昼食を作っていた。
サンジ(今日はあいつらに特に好評だった海ブタ肉入りホルモンスープ作るか)カチャカチャ
サンジ(レディたちにはデザートも……♡ウタちゃんはホイップがたっぷりのパンケーキが好きって言ってたな……)
サンジ(にしてもルフィのやろう…あんな天使と付き合うなんて羨ましいぜ…!)グツグツ…
サンジ(ナミさんとロビンちゃん、一気に俺のこと好きにならねえかな〜)
ジュウウウウウ…!
サンジ(まだ時間がかかりそうだな…)
.•*¨*•.¸¸♫✧
サンジ「!」
サンジ(これは……ウタちゃんか…!)
.•*¨*•.¸¸♫✧
サンジ(こりゃ捗るな…!)
サンジ「♪」ザクザクザク!ジュワワワ!シュバババババ…!
カチャ…!カチャ…!
サンジ「野郎ども!飯ができたぞ!」
ぞろぞろ…
ウソップ「めしだ〜!」
チョッパー「めしだ〜!」
ジンベエ「豪華じゃのう!」
ルフィ「腹減った〜!」
ウタ「美味しそ〜!」
サンジ「レディたちにはデザートも用意してありますぅ♡」
ウタ「ほんと!?」
サンジ「はい♡ウタちゃんはホイップまっしましのパンケーキです♡」
ウタ「やったー!」
ルフィ「おれも食いてえ!」
サンジ「そういうと思ってお前の分も用意してある」
ルフィ「ほんとか!」
ウタ「よかったね、ルフィ!」
ルフィ「ああ!」
サンジ「へへっ」ニッ
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ゾロ「フン!…フン!」ブン!…ブン!
ゾロ「……ふぅ…」
ゾロ(こんなところか……)
ゾロは汗を拭きながら窓の外を見る。
ゾロ(まだ……島には着かねえか……)
ゾロ「………」
.•*¨*•.¸¸♫✧
ゾロ(ん……?)
ゾロは船の甲板を見ると、ウタがルフィに歌を歌っていた。
ウタ「——♫」
ルフィ「……」
ゾロ「フッ…」ニコッ
ゾロはふと前を見る。
ゾロ「!」
するとゾロはスピーカーを使ってみんなに知らせた。
ゾロ「おい!島が見えたぞ!」
麦わらの一味「!」
ルフィ「ウタ、島だってよ!行くか!新しい冒険!」
ウタ「うん!」
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ブランコのある木
ルフィ「ウタ。今日も頼む」
ウタ「うん!喜んで!」
ザッ
ウタ「!」
ブルック「ヨホ。私も一緒にいいですか?」
ブルックはギターを持っていた。
ウタ「ブルック演奏してくれるの!?」
ブルック「はい。おじゃまじゃなければ」
ウタ「全然!よろしくね!」
ブルック「はい♪」
ブルックは伴奏に合わせてギターを弾いた。
.•*¨*•.¸¸♫✧
ウタ「——♫」
ブルック「♪」ジャーン♫
ルフィ「……」
ウタ「すご〜い!さすがソウルキング!上手だね!」
ブルック「ヨホホ!いえいえ、ウタさんこそ相変わらず素晴らしい歌声でした」
ウタ「えへへ…!ルフィ、どうだった?」
ルフィ「最高だった…!ありがとな。2人とも」
ウタ「うん!」
ブルック「ヨホホ!喜んでいただけて嬉しいです♪」
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ウタがルフィのために歌う歌は、サニー号中に響き渡る。
そのため、ルフィはもちろん、他のみんなにも歌声は届いていた。
医務室
チョッパー「……」ゴリゴリ…
.•*¨*•.¸¸♫✧
チョッパー「!」
チョッパー(ウタだ…!)
チョッパー「♪」ゴリゴリ
開発室
フランキー「」カン!カン!
.•*¨*•.¸¸♫✧
フランキー「…!」
フランキー「アウ!ウタか!」
フランキー(ルフィに歌ってんだな…!)
フランキー「♪」カンカン!カンカン!
フランキー(完成だ…!)
フランキー(この大砲はスーパーだぜ…)
ウソップガーデン
ウソップ(よ〜く育てよ〜)サァァァァ…
.•*¨*•.¸¸♫✧
ウソップ「!」
ウソップ「♪」
ウソップ(ウタの歌はやっぱりいいな…!癒される…)
ウソップ(ルフィいいなぁ……いつだってプリンセス・ウタの歌を聴けるんだから……)
.•*¨*•.¸¸♫✧
ウソップ(でもこうやっておれたちも聴けるからな…!)
キラキラ
ウソップ(心なしかポップグリーンも輝いてるぜ…)
図書室&測量室
ナミ「……」カキカキ
ロビン「……」ペラッ…
ナミ「ふぅ…」
ロビン「あらナミ。海図は完成?」
ナミ「うんん。ちょっと疲れちゃって」
ロビン「お疲れ様」
ナミ「ありがとう。ロビンは相変わらずすごい集中力ね」
ロビン「そう?」
ナミ「うん。はぁ〜。お茶でも飲んで休憩しようかな…」
ロビン「私もいいかしら」パタン
ナミ「もちろんよ」
.•*¨*•.¸¸♫✧
ナミ「!」
ロビン「あら」
ナミ「ウタ……」
.•*¨*•.¸¸♫✧
ナミ「いいわよね……この歌……」
ロビン「ええ…とっても」
ロビン「前にウタから聞いたけど、この曲がウタがいちばん最初に作ったものらしいわ…」
ナミ「そうなの…!?」
ロビン「ええ…」
ナミ「そうなんだ……」
ロビン「ルフィもこの曲が初めて聴いたものみたいよ」
ナミ「へえ〜……」
ナミ「……ウタが船に乗った日も歌ってたけど………ルフィ泣いてたものね……」
ロビン「ええ……」
ロビン「今日も……大切な人のために歌ってるんじゃないかしら…?」
ナミ「そうね……」
一味はラフテルを目指して進み続ける。
ルフィ 船長が海賊王になることを信じて。
ウタは今日も大切な人 ルフィのために歌い続ける。
世界中のみんなが幸せ 自由になれる"新時代"が来ることを信じて。
ウタ「——♫」
ルフィ「しししし…!」