L×U

様々な知識や小説、日記を投稿します。

ルウタ『漫画喫茶』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィとウタは、ふたりで漫画喫茶に来ていた。

 


ウタ「まんが喫茶なんて初めて〜!どんな感じなのかな!?」

 


ルフィ「まんが読むより動きてえよおれ」

 


ウタ「ここまんが以外にも、ダーツやビリヤード、あとカラオケもあるんだって!」

 


ルフィ「へえ〜!」

 


ウタ「さらにドリンクは飲み放題!」

 


ルフィ「飯もか!?」

 


ウタ「ご飯は追加料金払わなきゃいけないけど…」

 


ルフィ「よっしゃ!食うぞォ〜!」

 


ウタ「ちょっと!まずまんがコーナー見に行こ!」

 


ルフィ「わかった」

 

 

 

 

 

 

 


漫画コーナー

 


ウタ「うわぁ〜!すご〜い!」キラキラ

 


ルフィ「これ全部まんがか?めちゃくちゃあんな」

 


ウタ「ね!…スンスン……本のにおいがする」

 


ふたりは見て回った。

 


ウタ「こんなの1日じゃ絶対読みきれないね。……あっ…!見てルフィ!この本の表紙に載ってる人、ルフィに似てるよ!」

 


ルフィ「そうか?」

 


ウタ「ワンピースだって!洋服の話かな!?面白そう!」

 

 

 

 

 

 

 


数分後…

 


ウタ「いや〜、たくさんあったね!後でじっくり読もう。その前に他のところも見よ?」

 


ルフィ「ああ」

 

 

 

 

 

 

 


ダーツコーナー

 


ウタ「ダーツだ〜!ルフィ!ダーツで勝負だよ!」

 


ルフィ「よっしゃ、負けねえ!」

 


ウタ「いくよ〜!……やあ!」ポイッ!

 


ポトッ

 


ウタが投げた矢は、的の手前に落ちた。

 


ウタ「あれ?」

 


ルフィ「次はおれだ!」

 


ブン!

 


カン!…ポトッ

 


ルフィの矢は的には当たったが、刺さらなかった。

 


ルフィ「なんでだ!当たったぞ!」

 


ウタ「結構難しいね……」

 


ルフィ「クッソ〜!こうなったら投げまくってやる!」

 


ブンブンブンブン!!

 


ウタ「あー!ずるい!私も!」

 


ブンブンブンブンブンブンブンブン!!

 


ちなみに、近くのテーブルに投げ方のコツなどが書いてある紙があったのだが、ふたりは気づかなかった。

 


その後、矢など諸々を破壊したふたりは店員さんにめちゃ怒られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ウタ「反省……」ショボーン…

 


ルフィ「ししし!怒られちまったな!次なにする?」

 


ウタ「……ビリヤードしようか…」

 

 

 

 

 

 

 


ビリヤードコーナー

 


ウタ「うわ〜!私ビリヤードも初めて!棒で球を突くんだよね!」

 


ルフィ「やるか!」

 


ウタ「うん!……でもルールがわからない……」

 


ウタ「スマホで調べよっか」

 

 

 

 

 

 

 


数分後

 


ウタ「……よくわかんなかったから…とりあえず玉を多く落としたほうの勝ちだよ!」

 


ルフィ「おう!」

 


ウタはスマホで調べた構えをして、棒でついた。

 


カツッ

 


ウタ「………」

 


しかし突いた玉は他の玉に当たる前に止まってしまった。

 


何回もやるが、真っ直ぐ進まなかったり、当たっても玉が落ちなかった。

 


ウタ「映画とかでやってたの簡単そうに見えたけど……難しいね」

 


ウタ「ルフィ交代」スッ…

 


ルフィ「おう」パシッ

 


ルフィ「よし……」スッ…

 


ゴッ…!

 


ウタ「うわっ!」

 


ゴン!ゴロロロロロロ……

 


ルフィが突いた玉は宙に浮かび上がり、そのまま床に落ちた。

 


ルフィ「あり?」

 


ウタ「ビックリした……。ルフィ頑張って!」

 


ルフィ「ああ…!」スススス…

 


バリッ!

 


ルフィ・ウタ「「あ」」

 


ルフィは勢いのあまり、ラシャを破いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ウタ「また怒られちゃった……」

 


ルフィ「そうだな」

 


ウタ「でも次は…!」

 

 

 

 

 

 

 


カラオケボックス

 


ウタ「カラオケ〜!私の得意な歌!よ〜し、歌うよ〜!」

 

 

 

 


♪〜♪〜♪

 


ウタ「信じたいわ この未来を♫」

 


ウタ「世界中全部 変えてしまえば 変えてしまえば♫」

 


ウタ「果てしない音楽がもっと届くように♫」

 


ウタ「夢を見せるよ 夢を見せるよ 新時代だ♫」

 


♪〜♪〜♪

 


ウタ「新時代だ♫」

 

 

 

 


🟦🟦🟦音程🟦🟦🟦🟦🟦🟦完璧🟦🟦🟦🟦

 


🟨🟨🟨安定感🟨🟨🟨🟨🟨抜群🟨🟨🟨🟨

 


🟩🟩🟩抑揚🟩🟩🟩🟩🟩🟩最高🟩🟩🟩🟩

 


🟥🟥🟥ロングトーン🟥🟥🟥天才🟥🟥🟥🟥

 


🟪🟪🟪テクニック🟪🟪🟪🟪神様🟪🟪🟪🟪

 


🟧🟧🟧表現力🟧🟧🟧🟧🟧究極🟧🟧🟧🟧

 


⬜️⬜️⬜️容姿⬜️⬜️⬜️⬜️⬜️⬜️女神⬜️⬜️⬜️⬜️

 

 

 

 


     🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊

     🎊        🎊

     🎊  総合得点  🎊

     🎊 100000 🎊

     🎊        🎊

     🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊🎊

 

 

 

 


🌈素晴らしすぎる歌声😭AIに涙腺があれば🌈

🌈泣いていました😭319億ベリー支払わせ🌈

🌈てください😭🎉🎉🎉👏👏👏💐💐💐🌈

 

 

 

 


ウタ「イェーーイ!」

 


ルフィ「はふは!ぶあはぶあばふへあは!」

 


ウタ「なに言ってるかわかんないよルフィ!」

 


テーブルはルフィが注文した料理で溢れかえっていた。

 


ウタ「ほら!ルフィも歌って!せっかくのカラオケなんだから!」

 


ルフィ「」ゴックン‼︎

 

 

 

 


♪〜♪〜♪

 


総合得点 87

 

 

 

 


ウタ「すごい!意外と高得点じゃん!」

 


ルフィ「そっか?」

 


ウタ「うん!よ〜しルフィ!ひさしぶりにビンクスの酒一緒に歌お!」

 


ルフィ「おう!」

 

 

 

 


ヨホホホ〜♪ヨホホホ〜♪

 


ヨホホホ〜♪ヨホホホ〜♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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帰り道

 


ウタ「あ〜!楽しかった〜!」

 


ルフィ「にししし!ああ!」

 


ウタ「…………あっ」

 


ルフィ「?」

 


ウタ「そういえば………結局まんが読まなかったね……。まんが喫茶なのに……」

 


ルフィ「あ〜……」

 


ルフィ「まあいいじゃねえか!楽しかったんだしよ!また行こうぜ!」

 


ウタ「ふふっ。そうだね!また行こう!ルフィ!」

 


ルフィ「おう!」

 

 

 

 


おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワンピース『雪合戦』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ザッ…ザッ…

 


ルフィたちは雪山を登っていた。

 


ピタッ

 


一味「!」

 


不意にルフィが足を止めた。

 


ウタ「どうしたの、ルフィ」

 


ルフィ「ここにいろ」

 


ザッ…ザッ…

 


ルフィは数歩進んだあと、足で前方の地面を突いた。

 


ドドドドドドドドドドドドッッッ!!!!!

 


ウタ「うわっ!」

 


するとその地面が凄まじい勢いで裂けた。

 


幅が20mほどで、長さは、終わりが見えないほど横に続いていた。

 


ロビン「これは……ヒドゥンクレバスね……」

 


チョッパー「あ……危なかった………」

 


ルフィは未来視で、クレバスに落ちる自分たちを見たのだった。

 


ウタ「………」オソルオソル……

 


ウタはゆっくりとクレバスに近づき、中を見てみた。

 


ウタ「底が見えない……」

 


ルフィ「おれが見てこようか?」

 


ウタ「えっ?」

 


スッ…

 


ルフィはそう言うと、クレバスに真っ逆さまに落ちた。

 

 

 

 

 

 

 


ボッ…!ボッ…!

 


しばらくするとルフィは月歩でウタたちの元に戻ってきた。

 


ザッ…

 


ウタ「どうなってた?」

 


ルフィ「氷だな。深さは100mぐらいだ」

 


ウタ「へー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ザッ…ザッ…

 


ルフィ「」キィーン!!

 


ピタッ…

 


ウタ「今度はなに…?」

 


しーーーーん………

 


一味「………」

 


ウタ「………」

 


ルフィ「………」

 


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!

 


フランキー「こいつァ…!」

 


前から大きな雪崩が発生し、迫ってきた。

 


ブルック「まずいですね……なんとかしなければ……!」

 


ゾロ「俺がやる」

 


サンジ「いーや。斬るよりも俺の炎だろ」ボボッ

 


ゾロ「アァ!?」

 


サンジ「マリモより俺のほうが上手くやれる」

 


ゾロ「ダーツは引っ込んでろ」

 


サンジ「んだとォ!?」

 


ブルック「ちょっとお二人とも、こんなときに喧嘩してる場合ですか!」

 


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

 


ウタ「ルフィ…!」

 


ルフィ「ああ」

 


ルフィは前に出て、息を吸い込んだ。

 


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!

 


ルフィ「……」

 


フウウウウウウウウ…!

 


ブワァァァァァァァァァ…!!!

 


そして雪崩が目の前に来たところで息を吹いた。

 


前方の雪はその風で吹き飛ばされた。

 


ルフィたちがいる場所は雪崩に飲み込まれず、左右には雪の壁ができた。

 


ナミ「息だけで……」

 


ウタ「さすが〜!」パチパチパチ

 


スッ……

 


ルフィはできた壁から手のひらサイズの雪を取り、それで雪玉を作った。

 


ルフィ「たあ」ポイッ

 


ウタ「きゃっ」ポスッ

 


ウタ「やったね〜!」

 


ウタ「くらえ!」ブン!

 


ルフィ「いてっ」ボスッ

 


ウソップ「おっ…!雪合戦か!おれもやるぞ!」

 


ボコッ…!

 


ウソップ「えっ…」

 


ルフィは両手を上げて、直径3mほどの雪玉を持っていた。

 


ブン!

 


ボスッ!

 


ウソップ「ギャアー!」

 


ウソップはその雪玉に埋もれた。

 


ボコッ!

 


ウソップ「本気でやるなァ!」

 


雪玉を割って出てきたウソップが目玉を飛び出しながら言った。

 


ルフィ「本気じゃねえぞ?」

 


ルフィは地面の雪を取り、雪玉を作った。

 


ビッ!!!

 


ボゴォォォォン!!!!

 


ルフィがそれを投げると、隣の雪山が消し飛んだ。

 


キィィィィィィィ…!!

 


何か音が聞こえる。

 


スッ…

 


バン!!!!

 


ルフィは後ろから飛んできた何かを、体の向きは変えずに手でキャッチした。

 


それは雪玉だった。

 


ルフィ「な?」

 


一味「…………」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ONE PIECE『ひたすらにあなたへ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタが麦わらの一味に入ってすぐのこと。

 


みんなで甲板に集まってルフィ、ジンベエ、ブルック、ゾロ、ナミ、ウタ、ロビン、サンジ、フランキー、チョッパー、ウソップの順に円になって座り、互いに自己紹介をしていた。

 


サンジ「同い年だね〜♡ウタちゃ〜ん♡」

 


ウタ「そうだね」ニコッ

 


サンジ「♡♡♡」ドキーン♡

 


ウソップ「そうだ!なにか歌歌ってくれよ!プリンセスウタ!」

 


ウタ「え!?」

 


チョッパー「おれも聞きてぇ!!」

 


ナミ「私も!!」

 


ブルック「私もです!あの美しい歌声、もう一度聞きたいですね!あっ!!ガイコツだから耳はないんですけども!!ヨホホホ!!」

 


フランキー「おれも頼むぜ!」

 


ロビン「お願いね」

 


ウタ「……わかった!歌うわ!」

 


ウタ(……な…なに歌おう…)チラッ

 


ルフィ「……」

 


ウタ(……よし…!)

 


ウタ「みんな聞いてください。『風のゆくえ』…!」

 


ウタは目を閉じ、歌い始めた。

 

 

 

 


「この風は どこからきたのと♪」

 

 

 

 


「問いかけても 空は何も言わない♪」

 

 

 

 


「この歌は どこへ辿り着くの♪」

 

 

 

 


「見つけたいよ 自分だけの答えを♪」

 

 

 

 


「まだ知らない海の果てへと 漕ぎ出そう♪」

 

 

 

 


「ただひとつの夢 決して譲れない♪」

 

 

 

 


「心に帆を揚げて 願いのまま進め♪」

 

 

 

 


「いつだって あなたへ 届くように 歌うわ♪」

 

 

 

 


「大海原を駆ける 新しい風になれ♪」

 

 

 

 


もはや形容することができないほどのその素晴らしい歌声はサニー号全体に響き渡り、錯覚か幻かはわからないが、ウタは光の粒子を纏っていた。

 

 

 

 


「それぞれに 幸せを目指し♪」

 

 

 

 


「傷ついても それでも 手を伸ばすよ♪」

 

 

 

 


「悲しみも強さに変わるなら♪」

 

 

 

 


「荒れ狂う嵐も超えていけるはず♪」

 

 

 

 


「信じるその旅の果てで また 会いたい♪」

 

 

 

 


「目覚めたまま見る夢 決して醒めはしない♪」

 

 

 

 


「水平線の彼方 その影に手を振るよ♪」

 

 

 

 


「いつまでも あなたへ 届くように 歌うわ♪」

 

 

 

 


「大きく広げた帆が 纏う 青い風になれ♪」

 

 

 

 


歌に倣うように、優しく穏やかな海風がみんなの体を撫でる。

 

 

 

 


ずっと目を閉じて歌っていたウタだが…ゆっくりと目を開けて正面にいる人を見ながら…いいや…その人を想いながらラストのサビを歌う。

 

 

 

 


「ただひとつの夢 誰も奪えない♪」

 

 

 

 


「私が消え去っても 歌は響き続ける♪」

 

 

 

 


「どこまでも あなたへ 届くように 歌うわ♪」

 

 

 

 


「大海原を駆ける 新しい風になれ♪」

 

 

 

 


しーん………………

 

 

 

 


ウタ「あ…あの……」

 


チョッパー「うぉぉぉぉぉ!!!!!」

 


ウソップ「すげえええええ!!!!!」

 


サンジ「♡♡ウタちゅわぃーーーーーん♡♡♡♡♡」

 


ゾロ「………へぇ」

 


ジンベエ「何と綺麗な歌声じゃ…」

 


フランキー「いい歌詞だなぁ…!泣ける……!」

 


ナミ「私も涙が……」

 


ロビン「さすがプリンセスウタね」ウフフ

 


ブルック「素晴らしい歌ですね…!!!骨抜きにされました……!!」

 


いつもなら「って骨抜きにされたらアフロだけになりますよ!!」とか言うブルックも今はスカルジョークをいえないほどに感動していた。

 


ウタ「よ…よかった…!みんなありがとう!すっごく嬉しい!」

 


ウタはルフィを見る。

 


ウタ「ル…ルフィ…!ど…どうだった?」

 


ルフィ「」

 


ルフィは微動だにしなかった。

 


ウタ「ルフィ…?」

 


麦わら帽子を深く被り、俯いているため顔が見えない。

 


サンジ「お…おい。こいつ寝てんじゃねぇだろうな」

 


ウタ「う、うそでしょ!ちょっとルフィ!」

 


ウタはルフィに近づき、被っている麦わら帽子を取った。

 


ウタ「え……!?」

 


ルフィ「………」ポロポロ

 


ウタ「ど、どうしたのルフィ!?な、何で泣いてるの!?」

 


ルフィ「いや………なんか…ひさしぶりにおまえのその歌を聴いたら…ウタと出会ってから今までの12年を思い出しちまって…」ポロポロ

 


ウタ「……えっ……」

 


ルフィ「ウタとたくさん話したり、勝負したり、探検したりして毎日すげぇ楽しかったんだ…」

 


ルフィ「なのにウタが突然いなくなってよ…何もわからないまま大切な人を失った。それが悲しくて、悔しくて、辛かった…」

 


ウタ「…ルフィ…」

 


ルフィ「そして今度はおれを助けるためにシャンクスが腕を失っちまった…シャンクスは気にするなって言ってくれたけど…『おれのせいでシャンクスが』って自分を責めた…」

 


ルフィ「シャンクスからその麦わら帽子を預かって別れた後、エースとサボの2人の兄ちゃんができたんだけどサボは知らないところで殺された」

 


ルフィ「また知らないところで失ったんだ…」

 


ウタ「………」

 


ルフィ「もう失わないようにおれは10年修行して強くなって、仲間もできて新しい技も考えた…けどシャボンディで仲間たちを消されて離れ離れになっちまった…」

 


麦わらの一味「………」

 


ルフィ「その後すぐエースが目の前で殺されてしまったんだ………」

 


ルフィ「もう二度と失わないように…大切なもんを守れるように……おれはまた2年修行したんだ…」

 


ウタ「………」

 


ルフィ「なんかごめんな。こんな話して」

 


ウタ「ううん…大丈夫」

 


ルフィ「……でも辛いことばかりじゃなかった!みんなと出会ったし、サボも生きてた!それにいろんなところに行って、いろんな奴らに会って、いろんなもんを食った!」

 


ルフィ「そしてウタとも再会して、今はおれの仲間になってくれてる!」

 


ウタ「ルフィ…!」

 


ルフィ「さっきの歌、昔よく歌ってたよな。おまえのその歌大好きだったんだ!ひさしぶりに聴いたらなんか楽しかったことや悲しかったことを思い出しちまって、そしたらいつの間にか泣いてた!それだけだ!!」シシシ!

 


ウタ「よかった……私なんか悪いことしちゃったのかと…」

 


ルフィ「そんなわけねぇだろ!」

 


ウタ「なーんだ。12年経ってちょっとは大人になったかと思えばまだまだ泣き虫だねー」クスクス

 


ルフィ「なっ……おれは泣いてねぇよ!!!」

 


ウタ「出た!負け惜しみ〜!」

 


麦わらの一味「あははは!」

 


ルフィ「おい!みんなまで…!くそ〜」

 


ウタ「ふふっ。……でもルフィ、12年間いろいろあったんだね……」

 


ルフィ「………」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「……………………なぁウタ」

 


ウタ「なに?ルフィ」

 


ルフィ「おれ、おまえが好きだ」

 


ウタ「え…!?///」

 


ウタは一瞬ドキッとしたが、ルフィにかぎってそれはないと思った。

 


ウタ「う、うん!私も好きだよ!」

 


ルフィ「違う」

 


ウタ「え…?」

 


ルフィ「おれ昔は海賊をよく思ってなかった。でも赤髪海賊団がフーシャ村にやってきて、その海賊たちは酒飲みまくって、バカ騒ぎしてうるさかったけど、優しくて、強くて、かっこよくて、自由だった。そして歌が好きだった」

 


ルフィ「じいちゃんにいつも聞かされていた悪い海賊とは違っていたんだ」

 


ルフィ「んで、その中におまえがいた」

 


ルフィ「ウタはこれまで行ってきたところ、見てきたものを教えてくれた。おまえの夢も教えてくれた」

 


ウタ「うん…」

 


ルフィ「ウタがいろいろ話してくれて、おれも海賊に憧れて海に出て、そしてゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルック、ジンベエと出会った。ウタと仲良くなれたから、エースやサボとも仲良くなれた」

 


ウタ「うん…」

 


ルフィ「他にもいろんなやつらに出会って友達になれたんだ」

 


ウタ「うん…」

 


ルフィ「おまえの"新時代"を聞いて、おれも"新時代"を作ろうと思った。ウタはおれに夢もくれたんだ」

 


ウタ「…うん…」

 


ルフィ「ウタはおれのすべてだ」

 


ウタ「…え……」

 


ルフィ「ウタはときどき姉ちゃんぶっておれをからかってくるけど、おまえはこの世界の誰よりも優しい。いろんなやつに会ってきたおれが言うんだ、間違いねぇ」

 


ウタ「///」

 


ルフィ「歌を歌っているときのウタはなによりも輝いていて綺麗だ」

 


ウタ「え…え…///」

 


ルフィ「おれはウタと一緒にいるときが一番楽しい。だから夢を叶えて"新時代"を作った後もずっと一緒にいたい」

 


ウタ「……//////」ドキドキ

 


ルフィ「ウタ………!おれはおまえが好きだ。一人の女として」

 


ウタ「//////」ボンッ!

 


ルフィ「おれとこれからもずっと一緒にいてくれるか?」

 


ウタ「えっ…あっ…///…あの…///」ドキドキ

 


ルフィ「どうだ?」

 


ウタ「わ…私でよければ…///…よろしくおねがいします…!///」ドキドキ

 


ルフィ「しししし!!ああ!よろしくな!」ニカッ

 


麦わらの一味「…………」

 


「「「「「えええええええっっっ!!!!」」」」」

 


ウソップ「マジかよ…!…ル…ルフィが…!」

 


ナミ「うそ…!//」

 


ロビン「あらあら…」

 


チョッパー「すげぇぇ!!ルフィとウタ付き合うのか!?」

 


ウタ「///」ボシュッ

 


フランキー「スーパーめでてぇな!!」

 


ブルック「おめでとうございます!私、胸の高鳴りが止まりません!!あっ…私胸ないんですけど!!ヨホホホ!!」

 


ジンベエ「ワッハッハ!ルフィ!ウタ!おめでとう!」

 


ロビン「おめでとう、二人とも」ウフフ

 


ウソップ「ルフィにそんな感情あったんだな…」

 


サンジ「」チーン

 


ゾロ「とうとうコックもあの世行きか」サヨウナラ

 


サンジ「行くか!!藻!!」💢

 


ゾロ「あァ!?」💢

 


ルフィ「ししし!!ウタ!!」

 


ウタ「?」///

 


ルフィ「一緒に作るぞ!!"新時代"!!!」

 


ウタ「…!!うん!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ルフィ「……」

 


ウタ「……」

 


ルフィとウタは船首に座っていた。

 


ウタ「ふふっ…」スリスリ…♡

 


ルフィ「……」

 


ふたりは共に"新時代"を作るため、偉大なる航路 グランドラインでの航海を続けていた。

 


ルフィ「ウタ…」

 


ウタ「なに…?ルフィ…」

 


ルフィ「お前の歌が聴きたい」

 


ウタ「ふふ。いいよ」

 


スッ……

 


ウタは、歌の伴奏が録音された音貝 トーンダイアルを出した。

 


ルフィ「……」

 


カチッ

 


•*¨*•.¸¸♪

 


ルフィ「……」

 


ルフィは目を閉じ、歌に耳を澄ませる。

 


ウタ「……スゥ…」

 

 

 

 


「この風は どこからきたのと♫」

 

 

 

 


「問いかけても 空は何も言わない♫」

 

 

 

 


「この歌は どこへ辿り着くの♫」

 

 

 

 


「見つけたいよ 自分だけの答えを♫」

 

 

 

 


「まだ知らない海の果てへと 漕ぎ出そう♫」

 

 

 

 


「ただひとつの夢 決して譲れない♫」

 

 

 

 


「心に帆を揚げて 願いのまま進め♫」

 

 

 

 


「いつだって あなた ルフィへ 届くように 歌うわ♫」

 

 

 

 


「大海原を駆ける 新しい風になれ♫」

 

 

 

 


ルフィ「ありがとな。ウタ」

 


ウタ「どういたしまして。言ってくれたらいつでも歌ってあげるから」

 


ルフィ「ああ。ありがとう」

 


ウタ「うん」

 


ウタは嬉しかった。

 


自分のいちばん大切な人に、自分の歌を聴いて喜んでもらえることが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ルフィはウタに歌ってもらうのが好きだった。

 


そのためよく歌のリクエストをしていた。

 


ルフィ「ウタ。また歌ってもらっていいか?」

 


ウタ「うん。もちろんだよ」

 


……スッ……カチッ

 

 

 

 

 

 

 


ジンベエ「……」

 


ジンベエは舵を握り、船の操縦をしていた。

 


ジンベエ(風がない……こりゃ進まんのお……)

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ジンベエ「!」

 


ジンベエ(心が安らぐわい……)

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ジンベエ「」ニコッ…

 


ヒュォォォォ…

 


ジンベエ「おお…!いい風が吹くのう…!」

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「——♫」

 


ルフィ「……」

 

 

 

 

 

 

 


ジンベエ「はは…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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サンジ「」トントントントン

 


サンジはみんなの昼食を作っていた。

 


サンジ(今日はあいつらに特に好評だった海ブタ肉入りホルモンスープ作るか)カチャカチャ

 


サンジ(レディたちにはデザートも……♡ウタちゃんはホイップがたっぷりのパンケーキが好きって言ってたな……)

 


サンジ(にしてもルフィのやろう…あんな天使と付き合うなんて羨ましいぜ…!)グツグツ…

 


サンジ(ナミさんとロビンちゃん、一気に俺のこと好きにならねえかな〜)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジュウウウウウ…!

 


サンジ(まだ時間がかかりそうだな…)

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


サンジ「!」

 


サンジ(これは……ウタちゃんか…!)

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


サンジ(こりゃ捗るな…!)

 


サンジ「♪」ザクザクザク!ジュワワワ!シュバババババ…!

 


カチャ…!カチャ…!

 


サンジ「野郎ども!飯ができたぞ!」

 


ぞろぞろ…

 


ウソップ「めしだ〜!」

 


チョッパー「めしだ〜!」

 


ジンベエ「豪華じゃのう!」

 


ルフィ「腹減った〜!」

 


ウタ「美味しそ〜!」

 


サンジ「レディたちにはデザートも用意してありますぅ♡」

 


ウタ「ほんと!?」

 


サンジ「はい♡ウタちゃんはホイップまっしましのパンケーキです♡」

 


ウタ「やったー!」

 


ルフィ「おれも食いてえ!」

 


サンジ「そういうと思ってお前の分も用意してある」

 


ルフィ「ほんとか!」

 


ウタ「よかったね、ルフィ!」

 


ルフィ「ああ!」

 


サンジ「へへっ」ニッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゾロ「フン!…フン!」ブン!…ブン!

 


ゾロはトレーニングルームで日課の鍛錬をしていた。

 


ゾロ「……ふぅ…」

 


ゾロ(こんなところか……)

 


ゾロは汗を拭きながら窓の外を見る。

 


ゾロ(まだ……島には着かねえか……)

 


ゾロ「………」

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ゾロ(ん……?)

 


ゾロは船の甲板を見ると、ウタがルフィに歌を歌っていた。

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「——♫」

 


ルフィ「……」

 

 

 

 

 

 

 


ゾロ「フッ…」ニコッ

 


ゾロはふと前を見る。

 


ゾロ「!」

 


するとゾロはスピーカーを使ってみんなに知らせた。

 


ゾロ「おい!島が見えたぞ!」

 


麦わらの一味「!」

 


ルフィ「ウタ、島だってよ!行くか!新しい冒険!」

 


ウタ「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブランコのある木

 


ルフィ「ウタ。今日も頼む」

 


ウタ「うん!喜んで!」

 


ザッ

 


ウタ「!」

 


ブルック「ヨホ。私も一緒にいいですか?」

 


ブルックはギターを持っていた。

 


ウタ「ブルック演奏してくれるの!?」

 


ブルック「はい。おじゃまじゃなければ」

 


ウタ「全然!よろしくね!」

 


ブルック「はい♪」

 


ブルックは伴奏に合わせてギターを弾いた。

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ウタ「——♫」

 


ブルック「♪」ジャーン♫

 


ルフィ「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタ「すご〜い!さすがソウルキング!上手だね!」

 


ブルック「ヨホホ!いえいえ、ウタさんこそ相変わらず素晴らしい歌声でした」

 


ウタ「えへへ…!ルフィ、どうだった?」

 


ルフィ「最高だった…!ありがとな。2人とも」

 


ウタ「うん!」

 


ブルック「ヨホホ!喜んでいただけて嬉しいです♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタがルフィのために歌う歌は、サニー号中に響き渡る。

 


そのため、ルフィはもちろん、他のみんなにも歌声は届いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医務室

 


チョッパー「……」ゴリゴリ…

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


チョッパー「!」

 


チョッパー(ウタだ…!)

 


チョッパー「♪」ゴリゴリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開発室

 


フランキー「」カン!カン!

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


フランキー「…!」

 


フランキー「アウ!ウタか!」

 


フランキー(ルフィに歌ってんだな…!)

 


フランキー「♪」カンカン!カンカン!

 


フランキー(完成だ…!)

 


フランキー(この大砲はスーパーだぜ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウソップガーデン

 


ウソップ(よ〜く育てよ〜)サァァァァ…

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ウソップ「!」

 


ウソップ「♪」

 


ウソップ(ウタの歌はやっぱりいいな…!癒される…)

 


ウソップ(ルフィいいなぁ……いつだってプリンセス・ウタの歌を聴けるんだから……)

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ウソップ(でもこうやっておれたちも聴けるからな…!)

 


キラキラ

 


ウソップ(心なしかポップグリーンも輝いてるぜ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書室&測量室

 


ナミ「……」カキカキ

 


ロビン「……」ペラッ…

 


ナミ「ふぅ…」

 


ロビン「あらナミ。海図は完成?」

 


ナミ「うんん。ちょっと疲れちゃって」

 


ロビン「お疲れ様」

 


ナミ「ありがとう。ロビンは相変わらずすごい集中力ね」

 


ロビン「そう?」

 


ナミ「うん。はぁ〜。お茶でも飲んで休憩しようかな…」

 


ロビン「私もいいかしら」パタン

 


ナミ「もちろんよ」

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ナミ「!」

 


ロビン「あら」

 


ナミ「ウタ……」

 


.•*¨*•.¸¸♫✧

 


ナミ「いいわよね……この歌……」

 


ロビン「ええ…とっても」

 


ロビン「前にウタから聞いたけど、この曲がウタがいちばん最初に作ったものらしいわ…」

 


ナミ「そうなの…!?」

 


ロビン「ええ…」

 


ナミ「そうなんだ……」

 


ロビン「ルフィもこの曲が初めて聴いたものみたいよ」

 


ナミ「へえ〜……」

 


ナミ「……ウタが船に乗った日も歌ってたけど………ルフィ泣いてたものね……」

 


ロビン「ええ……」

 


ロビン「今日も……大切な人のために歌ってるんじゃないかしら…?」

 


ナミ「そうね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一味はラフテルを目指して進み続ける。

 


ルフィ 船長が"海賊王"になることを信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタは今日も大切な人 ルフィのために歌い続ける。

 


世界中のみんなが幸せ 自由になれる"新時代"が来ることを信じて。

 


ウタ「——♫」

 


ルフィ「しししし…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

•*¨*•.¸¸♬

 

 

 

 


「それぞれに 幸せを目指し♬」

 

 

 

 


「傷ついても それでも 手を伸ばすよ♬」

 

 

 

 


「悲しみも強さに変わるなら♬」

 

 

 

 


「荒れ狂う嵐も越えていけるはず♬」

 

 

 

 


「信じるその旅の果てで また 会いたい♬」

 

 

 

 


「目覚めたまま見る夢 決して醒めはしない♬」

 

 

 

 


「水平線の彼方 その影に手を振るよ♬」

 

 

 

 


「いつまでも あなた ルフィへ 届くように 歌うわ♬」

 

 

 

 


「大きく広げた帆が 纏う 青い風になれ♬」

 

 

 

 


ルフィ「……」シシシ…!

 


今日もウタはルフィのために歌っていた。

 


麦わらの一味は最後のロード歴史の本文 ポーネグリフを手に入れ、ラフテルへと船を進めていた。

 


そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


フランキー「……こ」

 


チョッパー「これが……!」

 


ナミ「"ひとつなぎの大秘宝"……」

 


ウソップ「"ワンピース"〜〜!?!?」

 


ルフィはついに…

 


ラフテルに辿り着いた。

 


ルフィ「……」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


シャンクス「お前なんかが海賊になれるか!!!」

 


ルフィ「なる!!!」

 


ルフィ「おれはいつか、この一味にも負けない仲間を集めて!!」

 


ルフィ「世界一の財宝をみつけて!!!」

 


ルフィ「"海賊王"になってやる!!!」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ルフィ「……」ニッ

 


ルフィ「これで……おれは"海賊王"だ……!!」

 


クルッ…

 


スタスタ…

 


ルフィは目の前の莫大な宝に手を出さず、船に引き返した。

 


ウソップ「おいルフィ!?この宝どうすんだ!」

 


ルフィ「おれはいらねえ」

 


ウソップ「!?」

 


ルフィ「お前ら!話がある!」

 


一味「……」

 


ルフィ「ついてきてくれ!」

 


一味も渋々"ワンピース"をそのままに、ルフィについて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


一同はサニー号を停泊させている海岸に着いた。

 


ルフィ「……」

 


ルフィはみんなの方に振り返る。

 


ウソップ「ルフィ、話ってなんだよ?」

 


ルフィ「ウソップ。お前とは同い年ってこともあって船では1番一緒に遊んだな」

 


ウソップ「え…?」

 


ルフィ「父ちゃんがおれの憧れの海賊団にいて、その父ちゃんに負けねえぐらいの狙撃の腕を持ってた。他にもなんでも器用にできて、この一味の旗を描いてくれたり、ナミの武器を作ってくれたり…」

 


ナミ「……」

 


ウソップ「……」

 


ルフィ「メリーのことで喧嘩したこともあったけどな。エニエスロビーで、お前が来てくれてなかったらおれはハトの奴に勝てなかった」

 


ウソップ「ルフィ…」

 


ルフィ「他にもウソップはすげえ活躍してるって知ってる。見てはねえけど、お前はやる男だからな」

 


ウソップ「そんな……照れるじゃねえか…!」

 


ゾロ「……」

 


ウソップ、チョッパー、ナミ以外の一味のみんなは薄々気づいていた。

 


ルフィはチョッパーを見る。

 


ルフィ「チョッパー」

 


チョッパー「!」

 


ルフィ「お前とも、ウソップと一緒によく遊んだな」

 


ルフィ「最初はいろんな変身して面白えから仲間に誘ったけど…実はお前はすごい医者だった。戦ったあと、いつもおれたちの怪我を治してくれてありがとな」

 


チョッパー「そ…!そんなお礼なんて言われても…嬉しくねーぞコノヤロー!♡」テレッ

 


ルフィ「サンジは毎日おれたちのためにうまい飯を作ってくれたな」

 


サンジ「……」

 


ルフィ「腹を空かせた奴ならどんな奴でもお前は飯を作る。いいコックを見つけたと思って仲間にしたら飯も最高だった」

 


サンジ「…ああ。おれもルフィが"海賊王"になるためのサポートができてよかった」

 


ルフィ「ししし!」

 


ルフィ「"海賊王"といえばロビン…お前がいなきゃおれは"海賊王"になることができなかった」

 


ルフィ「ありがとな、ロビン」

 


ロビン「いいえ。私のほうこそありがとうルフィ。最初得体の知れない私を船に置いてくれて……私に帰る場所を……仲間をくれた」

 


ロビン「そして世界から狙われていた私を……世界を敵に回してまで守ってくれた」

 


ロビン「ありがとう。ルフィ」

 


ルフィ「ああ」

 


ルフィ「フランキーもサニー号を作ってくれてありがとう。この船がなかったらこの島まで辿り着けなかった」

 


フランキー「アウ!ルフィ。俺の夢は、夢の船を造ることだ!あのとき、お前なら俺の夢を叶えてくれると確信した。お前だから俺の夢を託せたんだ!」

 


フランキー「俺が作った船を…サニーを夢の船にしてくれてありがとよ!ルフィ!」

 


ルフィ「ああ」

 


ルフィはサニー号を見る。

 


ルフィ「サニーもありがとな。おれたちをエニエスロビーから……いや………お前はメリーの意思も継いでる………」

 


ルフィ「ありがとう。おれたちをずっと支えてくれて」

 


サニー号「……」

 


ウソップ「…へへっ…」

 


フランキー「……」

 


ウソップ「にしてもどうしたんだルフィ?そんな改まって礼なんて…」

 


チョッパー「そうだぞルフィ!」

 


ゾロ「ウソップ。チョッパー。静かにしてろ」

 


チョッパー「え?」

 


ナミ「ちょっとゾロ。どうし…

 


ルフィ「ナミ」

 


ナミ「え?」

 


ルフィ「お前の航海術が、なかったら偉大なる航路 グランドラインに入ることもできなかったと思う。ずっと次の島までちゃんと辿り着かせてくれてありがとう」

 


ナミ「え……う、うん……」

 


ナミ「どうしたのよ………その感じだと……まるで……」

 


ルフィ「ブルック」

 


ブルック「おや……次は私ですか…」

 


ルフィ「ブルックは嫌かも知れねえけど…おれ動くガイコツに会えて…しかも仲間になってくれて嬉しかった。アフロだし」

 


ブルック「ヨホホ」

 


ルフィ「それに音楽家だったしな。おれずっと音楽家を仲間にしたいと思ってたけど、なかなか会えなくて」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「シャンクスたちが好きだったビンクスの酒も、ブルック知ってたしな」

 


ルフィ「お前が仲間になってくれてからさらに楽しくなった。ありがとな」

 


ブルック「いいえ。こちらこそありがとうございます、ルフィさん。50年もの間孤独だった私にとって、この姿を見てもなんら恐れることなく仲間にしてくれたあなたは…まさに太陽でした」

 


ブルック「あなたの"海賊王"への道にお供することができて光栄です」

 


ウソップ「!」

 


ルフィ「ししし!」

 


ウソップ「……ッ…!」ポロポロ

 


チョッパー「ウソップ…!?なんで泣いてんだ…!?」

 


サンジ「……」シュボッ…

 


サンジ「……」スパー…

 


ウソップ「……クッ………」ポロポロ

 


チョッパー「どうしたんだよウソップ!?」

 


サンジ「チョッパー」

 


チョッパー「!」

 


サンジ「船長の話を最後まで聞くんだ」

 


チョッパー「え…?」

 


ルフィ「……」

 


ルフィはジンベエを見る。

 


ジンベエ「ルフィ……わしは大したことはできんかった」

 


ジンベエ「お前さんにもらったチャンスを活かすことができず……エースさんを救えんかった。それどころかみっともなく生き残ってしまった」

 


ジンベエ「その後も…

 


ルフィ「違うぞジンベエ」

 


ジンベエ「!」

 


ルフィ「おれはお前がいなかったら立ち直ることができなかった……」

 


ルフィ「魚人島でも輸血してくれなかったら死んでただろうし…サンジの結婚式のときもお前がいなかったら……」

 


ジンベエ「……」

 


ルフィ「仲間になったのは他のみんなよりもずっと後だけど…お前は2年前から……出会ったときからずっと助けてくれた」

 


ルフィ「ありがとう、ジンベエ」

 


ジンベエ「………もったいない言葉じゃ…」

 


ルフィ「」ニッ

 


ルフィ「………」

 


ルフィはゾロを見る。

 


ゾロ「………」

 


ルフィ「……」スタスタ…

 


ルフィはゾロの正面まで歩いた。

 


一味「………」

 


ルフィ「…………」

 


ゾロ「…………」

 


ガシッ!!!

 


ルフィとゾロは力強く手を組んだ。

 


ゾロ「…………」

 


ルフィ「…………」

 


ルフィはこれまでのみんなとの思い出を振り返りながら、一味全員の顔が見えるところまでゆっくりと移動した。

 


ルフィ「……みんな……覚悟はいいな…」

 


ゾロ「ああ…」

 


サンジ「……」

 


フランキー「…ウォォォン…!(泣)」ダバー

 


ウソップ「…ウグッ……ヒグッ…」ポロポロ

 


ナミ「……ウゥ」ポロポロ

 


チョッパー「??」

 


ブルック「……」ポロポロ

 


ジンベエ「ええぞ……ルフィ…」

 


ロビン「………」ポロッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「麦わらの一味を!!解散する!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ナミ「うわああああああん…!!」ポロポロ

 


ウソップ「ウウゥ……!!(泣)」ポロポロ

 


チョッパー「え…!?解散……!?そんな………イヤだァァァ!」

 


ぽんっ…

 


チョッパー「ぅ…」チラッ

 


サンジ「……」

 


チョッパー「…………ゥ……ウゥ………うわーーーーん!」ポロポロ

 


ルフィ「ししし!みんな!今まで本当にありがとな!!」ニカッ‼︎

 


ウタ「うぅ……」ポロポロ…

 


ルフィ「………」スタスタ

 


ウタ「…!」ポロポロ…

 


ルフィ「………ウタ…………ここからだ………!」

 


ルフィ「作るぞ…!!"新時代"…!!!」

 


ウタ「!」

 


ウタ「…グスッ……」ゴシゴシ…

 


ウタ「……うん…!!!」

 


ルフィ「ししし!」

 


ルフィ「…行こう…!」スッ

 


ウタ「うん…!」ギュッ…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「待てよルフィ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「!」

 


ゾロ「俺もついていくぞ」

 


ルフィ「え…?」

 


サンジ「俺もだルフィ」

 


ルフィ「サンジ……」

 


ルフィ「でもお前……あのとき"海賊王"への道に付き合うって…」

 


サンジ「バカやろう…!ここまでついてきたんだ…!最後まで付き合うだろ!」

 


ジンベエ「わしもじゃ」

 


ジンベエ「お前さんの旅は……夢はまだ終わっとらん……!わしはこの命をルフィに使う為にここにおる…!」

 


ルフィ「ジンベエ…」

 


ブルック「私もです。私、この2度目の人生ルフィさんの為に使うと決めていますので」

 


ルフィ「ブルック…」

 


ロビン「私もよ。最後までルフィについていくわ」

 


ルフィ「ロビン…」

 


フランキー「アウ!冒険はここからだ!」ガキィィン‼︎

 


ルフィ「フランキー…」

 


ナミ「第一あんた!あたしがいなくて次の島行けんの!?」グスッ…

 


ルフィ「ナミ…」

 


チョッパー「おれもまだルフィの役に立ちたいぞ!」ウルウル…

 


ルフィ「チョッパー…」

 


ウソップ「当然!おれもついてくぜ!」ズビッ

 


ルフィ「ウソップ…」

 


サニー号「……」

 


ルフィ「みんな………」

 


ウタ「ふふっ…」

 


ルフィ「…………ししっ!」

 


ルフィ「……よし…!行くぞ野朗共ォォ!!!"新時代"を作る為に!!!」

 


ゾロ「おう!」

 


ナミ「うん!」

 


ウソップ「へへっ!」

 


サンジ「おう!」

 


チョッパー「おー!」

 


ロビン「ええ!」

 


フランキー「アーウ!」

 


ブルック「はい!」

 


ジンベエ「うむ!」

 


みんなはサニー号に乗り込んだ。

 


ルフィ「出航だーーーーー!!!!!」

 


「「「オォーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


その後ルフィは仲間たちと共に、世界中の人が自由になれるよう、天竜人たちを引きずり下ろし、大海賊時代を終わらせた。

 


世界は"新時代"を迎えた。

 


そしてその数日後。

 


ルフィとウタはフーシャ村で結婚式を挙げた。

 


今までに出会った友達を全員呼んで。

 


ルフィ「宴だァ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

 


「「「「「イェーーーーーイ!!!・お〜〜〜〜〜〜!!!」」」」」

 


ルフィ「かんぱ〜い!」

ウタ「かんぱ〜い!」

シャンクス「かんぱ〜い!」

 


ガシャァァン!

 

 

 

 


ウソップ「……そのうち結婚すんじゃねえかとは思ってたが……こんなに早いとはなぁ」

 


ドンチャン♪ドンチャン♪

 


ナミ「にしても…こんな大騒ぎする結婚式なんて聞いたことないわよ」

 


ヨホホホ〜♪ヨホホホ〜♪ヨホホホ〜♪ヨホホホ〜♪ビンクスの——

 


ロビン「うふふ。ルフィらしいわね」

 

 

 

 


ゴードン「ウワァァァァァ…!(号泣)」ポロポロ

 


シャンクス「おいゴードン!娘の晴れ舞台で何泣いてんだ!だーっはっはっは!!」

 


ベックマン「さっきまで顔面ぐしゃぐしゃにしてたお頭が何言ってんだ」

 


ガープ「ぶわっはっはっは!煎餅が一段と美味いのう!おい赤髪!茶ァ持ってこい!」

 


シャンクス「なんで俺なんだ!自分で持ってこい!」

 

 

 

 


ウタ「ふふっ…!みんなとこうやって騒ぐのすっごく楽しいね」

 


ルフィ「ああ」シシシ!

 


ウタ「ルフィのお友達みんないい人だし」

 


ルフィ「ししし!そうだろ!」

 


ウタ「うん!………私…ルフィと結婚できて幸せだよ」

 


ルフィ「おれもだ」

 


ウタ「これからふたりで一緒の家に住むんだよね…」

 


ルフィ「ああ」

 


ウタ「一緒に住んで……一緒に同じものを食べて……一緒に寝て………一緒同じ景色を見て………勝負して…………たまにケンカして……………ルフィとふたりで笑い合っていたい………」

 


ルフィ「……ああ」

 


ウタ「私…ルフィのために、美味しいものたっっくさん作ってあげるね!」

 


ルフィ「ししし!…ありがとな…」

 


ウタ「あと………いつまでもルフィのために……歌を歌ってあげる……」

 


ウタ「ルフィ…………私の歌……好きだよね……?」

 


ルフィ「当たり前だろ。ウタの歌は最高だ」

 


ウタ「えへへ……嬉しい…」

 


ルフィ「ありがとな。ウタ」

 


ウタ「うん…!」

 


ルフィ「………今日も……歌ってくれるか…?」

 


ウタ「もちろん!…じゃあ今から歌うね」

 


ルフィ「よろしくな」

 


ウタ「うん!」

 


スッ……カチッ…

 


•*¨*•.¸¸♬

 


ルフィ「………」

 


ウタ「…………フゥーー……スゥ…」

 

 

 

 


ドンチャン♪ドンチャン♪

 

 

 

 


「この風は」

 

 

 

 


「「「「「!」」」」」

 

 

 

 


「どこからきたのと♬」

 

 

 

 


ウタが歌うと同時に一同は静かになり、その歌声に耳をすませた。

 

 

 

 


シャンクス「フッ……」

 

 

 

 


「問いかけても 空は何も言わない♬」

 

 

 

 


「この歌は どこへ辿り着くの♬」

 

 

 

 


ブルック「…ゴードンさん…!」ヒソヒソ

 


ゴードン「…ああ…!」ヒソヒソ

 

 

 

 


「見つけたいよ 自分だけの答えを♬」

 

 

 

 


ブルックとゴードンは急いで準備した。

 


ブルックはヴァイオリン。

 


ゴードンはピアノ。

 


それぞれウタの歌声に合わせるため、楽器を構えた。

 

 

 

 


「まだ知らない海の果てへと 漕ぎ出そう♬」

 

 

 

 


•*¨*•.¸¸.•*¨*•.¸¸.•*¨*•.¸¸.•*¨*•🎶

 

 

 

 


「ただひとつの夢 決して譲れない♬」

 

 

 

 


ブルック「🎶」

 

 

 

 


「心に帆を揚げて 願いのまま進め♬」

 

 

 

 


ゴードン「🎶」

 

 

 

 


「いつだって あなた ルフィへ 届くように 歌うわ♬」

 

 

 

 


「大海原を駆ける 新しい風になれ♬」

 

 

 

 


「ただひとつの夢 誰も奪えない♬」

 

 

 

 


「私が消え去っても 歌は響き続ける♬」

 

 

 

 


ブルック。

 


ゴードン。

 


そしてウタ。

 


3人が織りなす歌に、一同は、そしてルフィは魂が震えていた。

 

 

 

 


「どこまでも あなた ルフィへ 届くように 歌うわ♬」

 

 

 

 


「大海原を駆ける 新しい風になれ♬」

 

 

 

 


「ooh♬」

 

 

 

 


「「「「「ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」」」」」

 

 

 

 


ルフィ「ありがとう。ウタ」

 


ウタ「どういたしまして」

 


ウタ「……」

 


ウタ「ルフィ……」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「これからもよろしくね」

 


ルフィ「ああ!よろしくな」

 


ルフィ「ウタ」

 


ウタ「?」

 


ルフィ「おれはずっとお前のそばにいる。そばでお前を守り続けて……幸せにする…!」

 


ウタ「…!」

 


ウタ「うん…!ありがとう…ルフィ…!」

 


ルフィ「しししし!」ニカッ

 


ウタ「ふふっ…!」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィとウタの結婚式、もとい、ふたりの結婚を祝う宴は数日続いた。

 


その宴もお開きとなり、翌日からフランキーたちに建ててもらった一軒家にふたりで住むことになる。

 


場所はドーン島。

 


その島にある小さな村、フーシャ村はルフィの故郷で、ふたりが出会った場所。

 


そのフーシャ村から少し離れた原野に家を建ててもらった。

 


ルフィ「ありがとな!」

 


ウタ「ありがとうございます!」

 


フランキー「アーウ!お安いご用だ!」

 


港友「ってやんでいバカヤロー!おれっちにゃァ朝飯前だ!」

 


港友「にしてもフラの介だけじゃなく、こいつらもなんて仕事ぶりだ…!」

 


タイルストン「うおおおおー!いい家が出来たなァーー!」

 


ルル「フランキーと作業するのはあのとき以来だな…」

 


ウタ「いい家だね、ルフィ」

 


ルフィ「ああ!」

 


アイスバーグ「ンマー……幸せにな」

 


ルフィ「ああ!ありがとな!アイスのおっさん!」

 


ウタ「はい!ありがとうございます!」

 


パウリー「じゃあな」

 


スタスタ…

 


ウタ「今日からここで…一緒に暮らすんだね…」

 


ルフィ「ああ…」

 


ウタ「ふふっ…!あらためてよろしくね、ルフィ!」

 


ルフィ「ああ!よろしくな、ウタ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィとウタ、そして、かつて一緒に旅をした仲間と共に自由で平和な"新時代"を作った。

 


海賊たちの略奪。

 


昔の天竜人や世界政府の卑劣な蛮行もなくなった。

 


そのためふたりの暮らしは平穏だった。

 


同じものを食べ、

 


ルフィ「うんめェ〜!ウタ料理上手だな!」

 


ウタ「ほんと!?ありがとうルフィ!」

 


ルフィ「ああ!最高だ!」

 


ウタ「えへへ…」

 


同じ道を歩き、

 


ウタ「あっ!ルフィあれ見て!」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「あの雲の形、お肉みたいだよ!」

 


ルフィ「お〜!」

 


ぐぎゅるるるる…

 


ウタ「ふふっ!おっきな音!今日もご飯たっくさん作ってあげるね!」

 


ルフィ「ありがとな!ウタ!」

 


ウタ「ふふっ!」

 


ルフィ「……おっ…!」タタッ…!

 


ウタ「?」

 


ウタ「どうしたのルフィ?」

 


ルフィ「これ…!花」

 


ウタ「うわ〜!きれい…」

 


スッ

 


ウタ「わっ」

 


ルフィ「にしし!似合ってんぞ、ウタ!」ニカッ!

 


ウタ「…!///」

 


ウタ「ありがとっ…///」

 


ルフィ「ししし!」

 


たまに勝負して…

 


ウタ「いぇーい!私の勝ち〜!」

 


ルフィ「いまのはずりぃぞ、ウタ!」

 


ウタ「出た〜!負け惜しみィ〜!」ワキワキ

 


ルフィ「くそ〜〜」

 


一緒に寝た。

 


ウタ「あ〜…!今日も楽しかった〜…!」

 


ルフィ「そうだな…!」ニシシ!

 


ウタ「ふふっ……ルフィの体あったかい…」キュッ…

 


ルフィ「ウタもあったけえぞ」

 


ウタ「そう?」

 


ルフィ「ああ」

 


ウタ「…そっか…」

 


ウタ「…おやすみ、ルフィ」

 


ルフィ「おやすみ、ウタ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

普段はもちろんふたりで過ごしていたが、ときどき昔の仲間が遊びにきてくれたり、

 


ナミ「ルフィ〜!ウタ〜!ひさしぶり〜!」

 


ウタ「ナミちゃん!ロビンさん!みんな!ひさしぶり!」

 


ロビン「二人とも元気そうね」

 


ルフィ「ししし!」

 


家族が会いにきてくれることもあった。

 


シャンクス「よう!」

 


ウタ「シャンクス〜!」

 


ルフィ「おお!シャンクスじゃねえか!」

 


シャンクス「ウタ!この前宝を見つけたんだ!ほら!」

 


ウタ「うわ〜!きれ〜!」

 


シャンクス「だっはっは!欲しけりゃやるぞ!」

 


ウタ「え〜!…じゃあ…このネックレス貰おうかな」

 


シャンクス「…それだけでいいのか?」

 


ウタ「うん!ありがとう、シャンクス!」

 


シャンクス「……フッ…」

 


マキノの酒場

 


ドンチャン♪ドンチャン♪

 


ヨホホホ〜♪ヨホホホ〜♪

 


ルフィ「ゴムゴムのォ〜〜〜……食いしん坊ォ〜〜!」バクバクバク-!

 


パンチ「うお〜!相変わらずすげえ食うな!」

 


ホンゴウ「ウタ毎日大変じゃねえか?」

 


ウタ「えへへ…まあね!でも私はルフィの妻だよ!」エッヘン!

 


ホンゴウ「そうだな」

 


シャンクス「………ウタ……」

 


ウタ「ん?どうしたのシャンクス?」

 


シャンクス「お前……今…幸せか…?」

 


ウタ「…うん!もちろん!毎日楽しいよ!」

 


シャンクス「…!」

 


シャンクス「……そうか…!…そうかぁ…!…よかった…!」ポロッ…

 


ウタ「ちょっと〜!泣かないでよシャンクス〜!」

 


シャンクス「うぅ……くぅ……」

 


ボテボテ…

 


ルフィ「ん……?なんだシャンクス泣いてんのか?」モグモグ

 


シャンクス「うるせえ!泣いてねえよクソガキ!」

 


ルフィ「そっかぁ?」

 


ウタ「あはははっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ある日……

 


ジュゥゥゥゥ…!

 


ウタ「♪」

 


ウタはルフィより早く起きて、朝食を作っていた。

 


ウタ「ふんふ〜ん♪」

 


ウタ(味見味見ィ〜…)パクッ

 


ウタ(う〜ん♡おいしい♡我ながらいい味付け!)

 


ウタ(ルフィ早く起きないかなぁ〜)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「…………………………………」

 


ルフィはベッドに座っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ガチャ……

 


ウタ「あっ!ルフィおはよう!朝ごはんできてるよ!」

 


ルフィ「………………………」

 


ウタ「?」

 


ルフィ「………………………」

 


ウタ「どうしたの…?ルフィ…?」

 


ルフィ「………………………」

 


ウタ「……ルフィ………?」

 


ルフィ「…………ごめん…………ウタ…………」

 


ウタ「……………………え………?」

 


ウタ「どうしたのルフィ………?」

 


ウタ「………なんであやまるの……?」

 


ルフィ「……………」

 


ルフィの顔は…無表情。

 


ふたりは、たとえけんかすることがあっても、激しい口論をしたりはしない。

 


むしろ周りから見て和むような痴話喧嘩……よりも平和なもの。

 


ルフィはいつも(少なくともウタといるときは)何かしらの表情があった。

 


しかし今は違う。

 


まったくの無表情。

 


ルフィのただならぬ雰囲気に、ウタは疑義の念はもちろん、少し恐怖も感じていた。

 


ルフィ「…………ウタ………」

 


ウタ「………ん……?」

 


ルフィ「話があるんだ…………」

 


ウタ「…うん………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタは嫌な予感がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


話ってなに……

 


……私のおやつを食べた……?

 


違う。

 


そんなんだったらこんな冷たく無表情にはならない。

 


……私が何かひどいことしちゃった……?

 


違う。

 


それだったらその時ルフィはすぐに言ってくる。

 


……じゃあ逆にルフィが私にひどいことをした……?

 


違う。

 


そんなことをされた覚えは私はないし、もししてしまったとしてもルフィはすぐに謝ってくる。

 


……私に……愛想を尽かした……?

 


違う。

 


そんな素振りルフィはしてない。

 

 

 

 


ウタは昔からルフィをよく知っている。

 


だから本当はどこかでわかっていた。

 


そんな生易しいものではない。

 


もっと絶望的な……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「……ウタ………おれ死ぬんだ」

 


ウタ「………え………………」

 


ルフィ「……………」

 


ウタ「どうゆうこと………」

 


ルフィ「たぶん…明日にはもう…死んでると思う……」

 


ウタ「……なんで………」

 


ルフィ「……わかるんだ…………」

 


ウタ「……う……うぅ……」

 


ウタにはわかっていた……

 


これは嘘じゃない……

 


冗談でも……嫌がらせでも……

 


ルフィはそんなつまらないことをする人じゃない……

 


なにより……

 


ルフィ「…………」

 


ルフィは悲しそうだった。

 


ウタ「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 


ルフィ「………」

 


ルフィは死ぬのが怖くなかった。

 


昔は。

 


"海賊王"。そしてその先の"夢の果て"を叶えるために進み、そのために死ぬのなら。

 


死を恐れ、夢を諦めるよりも、夢を叶えようと突き進み、死ぬほうがよかった。

 


やらない後悔よりも……やった後悔のほうが……

 


しかし今は違う。

 


"海賊王"になり、"新時代"を作り、"夢の果て"をも叶えた。

 


そしてウタと結婚。

 


ウタと一緒に過ごす毎日は楽しかった。

 


幸せだった。

 


ずっとこの日々が続けばいいと思っていた……

 


しかし………

 


朝起きて……自分は死ぬとわかってしまった。

 


なぜかはわからない……

 


でもわかるのだ……

 


自分の命の終わりが。

 


そして……ウタとの幸せな毎日の終わりが。

 


ルフィは虚無感に襲われていたが……

 


自分のことはいい。

 


それよりもルフィは……申し訳なかった。

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「……………………なぁウタ」

 


ウタ「なに?ルフィ」

 


ルフィ「おれ、おまえが好きだ」

 


ウタ「え…!?///」

 


ルフィ「歌を歌っているときのウタはなによりも輝いていて綺麗だ」

 


ウタ「え…え…///」

 


ルフィ「おれはウタと一緒にいるときが一番楽しい。だから夢を叶えて"新時代"を作った後もずっと一緒にいたい」

 


ウタ「……//////」ドキドキ

 


ルフィ「ウタ………!おれはおまえが好きだ。一人の女として」

 


ウタ「//////」ボンッ!

 


ルフィ「おれとこれからもずっと一緒にいてくれるか?」

 


ウタ「えっ…あっ…///…あの…///」ドキドキ

 


ルフィ「どうだ?」

 


ウタ「わ…私でよければ…///…よろしくおねがいします…!///」ドキドキ

 


ルフィ「しししし!!ああ!よろしくな!」ニカッ

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「ウタ」

 


ウタ「?」

 


ルフィ「おれはずっとお前のそばにいる。そばでお前を守り続けて……幸せにする…!」

 


ウタ「…!」

 


ウタ「うん…!ありがとうルフィ…!」

 


ルフィ「しししし!」ニカッ

 


ウタ「ふふっ…!」ニコッ

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ずっと一緒にいると……

 


ずっとそばにいて守ると……

 


約束した。

 


なのに…………

 


絶対に幸せにすると誓った人は…目の前で……

 


ウタ「うわぁぁぁぁぁぁぁん!」

 


泣いていた。

 


ルフィ「ごめん………ごめん………」

 


ルフィは罪悪感に押しつぶされそうになっていた。

 


ルフィ「ごめん………ごめんな…………ウタ……」

 


ルフィはただ……目の前で泣くウタに……

 


謝ることしかできなかった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「……グスッ………グスッ…」

 


ルフィ「……ごめん………ごめん…………」

 


ルフィはウタを抱きしめ……謝り続ける………

 


ウタ「……ヒグッ………ずっと……………一緒にいるって…………言ったのにィ……………グスッ………」

 


ルフィ「ごめん…………ごめん…ウタ………」

 


ウタ「……まだ………結婚して………ヒグッ………1年も経ってないのに……………ウゥ………」

 


ルフィ「ごめん………………」

 


ウタ「……今日で………グスッ…………………最後…なの……………?」

 


ルフィ「………………」コクッ……

 


ウタ「ウゥゥッ……………」

 


ルフィ「…………ごめん……」

 


ウタ「………ヒグッ…………グスッ………そんな…謝らないでよ……………辛いのは……ルフィなんだから………グスッ………」

 


ルフィ「…………………」

 


ウタ「…………グスッ……………ウゥ……」

 


ルフィ「……言おうか……」

 


ウタ「…?」

 


ルフィ「迷ったんだ……」

 


ウタ「…………グスッ……」

 


ルフィ「……でも言わなかったら……突然…死ぬことになるから…………言ったほうが…いいと思った………」

 


ウタ「…………………………」

 


ルフィ「だからよウタ!」

 


ウタ「!」

 


ルフィ「今日はずっと一緒にいて、たくさん楽しいことしよう!!」

 


ウタ「……………」

 

 

 

 

 

 

 


悔いを残さないように…………

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「なっ!ウタ!」ニカッ‼︎

 

 

 

 

 

 

 


ずっと罪悪感に苛まれ、暗い気持ちでいてはウタを余計に悲しませてしまう。

 


ルフィはそれらを押し殺して、明るく振る舞った。

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「……………うん…」

 

 

 

 

 

 

 


今日がルフィとの最後の日………

 


ずっと泣いていて、無駄にしたら一生後悔する………

 


せめて…………この限りある1日を無駄にしないと…………ウタは決めた。

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「…そうだねルフィ!…グスッ……楽しいことしよう!!なにする!?」

 


ルフィ「え〜っと……」チラッ

 


机にはウタが朝早くに起きて作った朝ごはんがあった。

 


ルフィ「めっ…飯食うか…!」

 


ウタ「…そうだね!」

 


ウタ「…あっ……冷めちゃってる………温め直すね!」

 


ルフィ「お…!おれも手伝うぞ!」

 


ウタ「ありがとうルフィ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ふたりは食事中、ずっと無言だった。

 


そんなことは初めてのことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——あまり利口ではない…!命を削っているんだぞ!

 

 

 

 


——寿命10年…!ヴァナタがこの先生きたであろう人生を10年分!使わせて貰うわよ…

 

 

 

 


——ウォロロ!おい死ぬぞ

 

 

 

 


ルフィ「……クッ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「………………」

 


ルフィ「………………」

 


ウタ「………グスッ……ウゥ………」

 


ぎゅっ……

 


ルフィはウタを優しく抱きしめる。

 


ウタ「………」ギュウッ

 


ルフィ「……ウタ…」

 


ウタ「……ん………」

 


ルフィ「………散歩行かねえか…?」

 


ウタ「………うん……わかった……」

 


ルフィ「…じゃあ行こう…」

 


ウタ「…うん……」

 


ルフィとウタは家を出て、手を繋ぎながら、フーシャ村のほうへ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


フーシャ村

 


ルフィ「………」

 


ウタ「………」

 


村はいつも通り賑やかだった。

 


ふたりは魚屋を通りかかるとき、店主に話しかけられた。

 


ギョルさん「おや、おふたりさん。買い物かい?」

 


ウタ「えっ……いや……その………」

 


ルフィ「散歩だ!」

 


ギョルさん「そうかい。今日は天気がいいからねぇ」

 


今日の空は快晴。

 


過ごしやすい気温で穏やかな風も吹いていた。

 


ギョルさん「ふたりが幸せそうで嬉しいよ」

 


ウタ「え?」

 


ギョルさん「ルフィは昔から村のみんなで見守ってきた」

 


ルフィ「………」

 


ギョルさん「ウタちゃんも昔この村にやってきて、小さい頃を知っている」

 


ウタ「………」

 


ギョルさん「ふたりが結婚して、幸せなことが俺たち村のみんなの幸せなんだ」

 


ウタ「………はい…」

 


ルフィ「ありがとな、おっちゃん」

 


ウタ「ありがとうございます…」

 


ギョルさん「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィとウタは他の村の人たちとも交流しながら、港に着いた。

 


サァァァァァ……

 


海も穏やかだった。

 


ルフィ「…………」

 


ウタ「…………」

 


ルフィ「………ここで会ったな」

 


ウタ「…!」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「おまえら、かいぞくか?」

 


ウタ「そうよ。なんかもんくでもあるの?」

 


ウタ「だったら聞くよ。せんちょうシャンクスのむすめ、このウタが」

 


ルフィ「かいぞくなら…でてけ!!」

 


ウタ「なによ。やるっての?」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ウタ「……そうだね」

 


ルフィ「…………」

 


ウタ「…………」

 


ふたりはしばらく海を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


スタスタ…

 


ふたりはまたフーシャ村を歩いていた。

 


ルフィ「これまでいろんな勝負したな」

 


ウタ「…そうだね」

 


ルフィ「この家では桶を借りたな」

 


ルフィはある家を通りかかるときにそう言った。

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「ウタ〜!きょうはどっちがながくいきをとめられるかしょうぶだ!」

 


ウタ「どうやって?」

 


ルフィ「みずにかおいれてやるんだ!」

 


ウタ「わかった。いいよ」

 


ルフィ「じゃあうみにいくぞ!」

 


村の人「待ちなさいふたりとも」

 


ルフィ「!」

ウタ「!」

 


村の人「海は危険だからここでやりなさい。桶貸してあげるから」

 


ルフィ「お〜!」

 


ウタ「ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 


ルフィ「よし、やるぞォ〜!」

 


ウタ「いくよ〜!」

 


ルフィ「3、2、1!」

ウタ「3、2、1!」

 


ザブッ!

 


ルフィ「………」

 


ウタ「………」

 


ツン…!

 


ルフィ「ゴボッ…!」

 


ウタは顔を水につけながら、隣のルフィの脇腹をつついた。

 


ツン、ツン、ツン、ツン…!

 


ルフィ「ゴボボボッ!ぶはっ!」ザバァ!

 


ルフィ「あひゃひゃひゃひゃひゃ!」

 


ウタ「ぷはっ!」ザバァ!

 


ウタ「にひひ!あたしの勝ちィー!」

 


ルフィ「くすぐるなんてずるいぞ!ウタ!」

 


ウタ「出たァ!負け惜しみィ〜!」

 


ルフィ「くそー!」

 


村の人「あははは!またやられちゃったわねルフィ」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ウタ「うん……」

 


ルフィ「おれはその桶を使って、ウタはマキノの酒場の樽を使って海で競走したこともあったな」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「うおおおおおああ!」

 


ウタ「はあああああああ!」

 


ルフィ「おれのほうがぜったいはええ!」

 


ウタ「あたしにきまってんでしょ!」

 


ルフィ「あのいわにさきについたほうがかちだ!」

 


ウタ「のぞむところよ!」

 


ルフィ「かつのはおれだァ!」

 


ウタ「あたしよォ!」

 


ルフィ「ぜったいにかつ!」

ウタ「ぜったいに勝つよ!」

 


近海の主「……」

 


ルフィ「うああああ!!」

ウタ「えええええ!!」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ウタ「そうだね…」

 


ルフィ「………」

 


マキノ「あら、ふたりとも」

 


ルフィ「マキノ」

 


ウタ「マキノさん」

 


マキノ「おでかけ?」

 


ルフィ「まあな」

 


ウタ「………」

 


マキノ「ウタちゃん…元気ないわね」

 


ウタ「!」

 


マキノ「喧嘩…ではなさそうね……」

 


ウタ「………」

 


マキノ「無理にとは言わないけどなにか悩み事があったらいつでも相談になるからね」

 


ウタ「ありがとう…マキノさん」

 


マキノ「そうだ!もうすぐお昼だし、ご飯作ってあげるわ!」

 


ルフィ「おお!だってよウタ!」

 


ウタ「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マキノの酒場

 


ジュゥゥゥゥ…!

 


ぐぎゅるるるる…

 


ルフィ「腹減ったな〜!」

 


ウタ「……うん」

 


ルフィ「めしなんだろうな!」

 


ウタ「………」

 


ルフィ「………初めてウタの歌を聞いたのここだったな……」

 


ウタ「…!」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ウタ「あたしは歌姫。あたしは、赤髪海賊団の音楽家でシャンクスの娘!」

 


シャンクス「海賊には、歌がつきものだからな」

 


ルフィ「へー」

 


ウタ「いいわ。あたしの歌を聴かせてあげる」

 

 

 

 


•*¨*•.¸¸.•*¨*•.¸¸.•*¨*•.¸¸.•*¨*•♪

 


ルフィ「………」

 

 

 

 


ワァァァァァァァ!!

 


ウタ「どうだった?」

 


ルフィ「…うめえなあ…おまえ」

 


ウタ「ん〜?」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ルフィ「あのときほんとに凄えと思った……あんなに綺麗な歌を聞くのは初めてだった」

 


ウタ「……ルフィ」

 


マキノ「できたわよふたりとも!」コトッ

 


ルフィ「お〜!うまそォ〜!いっただっきま〜す!」

 


ウタ「……いただきます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィ「ご馳走さん!」

 


ウタ「ご馳走様でした」

 


マキノ「またいつでも来てね」

 


ウタ「………」

 


ルフィ「ありがとうマキノ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


その後、フーシャ村を出たふたりはある崖に来た。

 


ウタ「………」

 


ルフィ「初めての競走はこの崖登りだったな」

 


ウタ「うん…」

 


ウタはルフィの意図がわかってきた。

 


ウタ(ルフィは……)

 


ダキッ

 


ウタ「わっ」

 


ルフィはウタをお姫様抱っこし、軽くジャンプして崖の上に着地した。

 


ウタ「……本当に……強くなったね…」

 


ルフィ「……ああ」

 


サァァァァァ……

 


穏やかに風が吹く……

 


ルフィ「………」

 


ウタ「……もう身長も腕相撲も負けちゃうな…」

 


ルフィ「!」

 


ルフィ「……大声は…わかんねえな……かわいさは絶対勝てねえなぁ…」

 


ウタ「そう?ルフィかわいいよ」

 


ルフィ「そっかぁ?」

 


ウタ「うん」

 


ルフィ「……そっか」

 


ウタ「………」

 


ウタは気づいた。

 


ルフィは最後に……自分たちの思い出の場所を巡っていると……

 


ルフィ「…………」

 


ウタ「…………」

 


サァァァァァ……

 


穏やかな風がふたりの頬を撫でる。

 


ウタ「…………」

 


ウタはルフィを見た……

 


ルフィはじっと水平線の向こう側を見ていた。

 


その顔は…泣いているようにも……笑っているようにもみえた……

 


ウタ「ルフィ」

 


ルフィ「……」

 


ウタ「行こう?」スッ

 


ルフィ「…ああ」

 


ぎゅっ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


時刻は…夕方。

 


ギィィィィ……

 


ギシ…ギシ…ギシ…

 


ギイッ……

 


ウタ「……!」

 


12年の時が経っても………その景色は変わっていなかった。

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ウタ「なかなかすてきね…!」

 


ウタ「でもあたしは…いくつもの海を航海してきたから…もっとすてきな景色も知ってるわ…!」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ウタ「ルフィ……」

 


ルフィ「…ん…?」

 


ウタ「私…あのときあんなふうに言ったけどね……」

 


ウタ「12年前……ここでルフィが見せてくれた…この景色が…いちばん素敵だった…」

 


ルフィ「……そうか…」

 


ウタ「うん…!……ルフィが連れてきてくれた…私の舞台…!……ずっと忘れないよ……!」ポロッ…

 


ルフィ「…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィ「しししし…!」ニカッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「………」

 


ルフィ「そろそろ行くか…」

 


ウタ「…家に帰るの?」

 


ルフィ「いや……最後に行きたいところがある」

 


ウタ「…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ザッ…

 


ウタ「……ここは…」

 


ルフィ「覚えてるか?」

 


ウタ「……忘れないよ」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ウタ「あんたさぁ、すぐかいぞく、かいぞくって言うけど、かいぞくになってなにしたいの?」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「あたしには夢がある」

 


ルフィ「……」

 


ウタ「シャンクスといっしょに、世界をまわって、たくさんの曲を作って、最高のステージとあたしの歌で、世界を幸せにする!」

 


ウタ「あたしは!"新しい時代"を作るの!」

 


ルフィ「へぇ〜〜」

 


ルフィ「よ〜し!おれもつくろう!しんじだい!」

 


ウタ「かんたんに言わないでよね」

 


ルフィ「にひひひひひ!」

 


ウタ「なに?あんたの"新時代"って」

 


ルフィ「おれは、せかいじゅうをぼうけんしたい!」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「いろ〜んなばしょにいって!いろ〜んなやつらとあって!いろ〜んなくいもんたべたいんだ!シャンクスみたいに!」

 


ウタ「それじゃあ世界は変わらないじゃない」

 


ルフィ「そうか。ひひひひ。そのうちきめる」

 


ウタ「あはははははっ!…うんうん。なんか、あんたっぽいなって」

 


ルフィ「そっか?てれるなぁ」

 


ウタ「べつにほめてないし!」

 


ルフィ「………」

ウタ「………」

 


ルフィ「にひひひひひひっ!」

ウタ「あはははははは!」

 


ウタ「あははははははっ……フウ…」

 


ウタ「…作ろう…!"新時代"!」

 


ルフィ「おう!」

 


ガッ!

 


ルフィ「にひひひひひひ」

 


ウタ「ふふふふふふっ」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ルフィ「…………」

ウタ「…………」

 


ルフィ「ウタ……ありがとう」

 


ウタ「うん………こちらこそ…ありがとう。ルフィ」

 


太陽は、水平線に沈みかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「…………」

 


今日1日で、昔の自分たちの思い出の場所を巡った。

 


フーシャ村の港や酒場、お世話になった店や家。

 


初めて勝負をした崖。

 


果物狩り勝負をした森。

 


かんむり作り勝負をした花畑。

 


風車小屋 ウタの舞台。

 


そして……共に夢 新時代を誓い合った丘。

 


どこも12年前と変わっていない……

 


変わったのは…人と……"時代"だった。

 


ここでの暮らしを始めてから、立ち寄ったことがない場所もたくさんあった。

 


ルフィを疑っていたわけではないが……今朝の……あの話が…現実味を帯びる………

 


ウタ「………ゥ……」

 


ウタは……また……泣きそうに………

 


ドサッ!

 


ウタ「うわっ!」

 


その瞬間ウタはソファに押し倒された。

 


ウタ「え…?」

 


ルフィ「くらえ〜!」

 


こちょこちょこちょ〜!

 


ルフィはウタをくすぐった。

 


ウタ「あはははははは!…ちょ…なんで…!あはは…!」

 

 

 

 

 

 

 


数分後…

 


ウタ「はぁ…はぁ…」グデー

 


ルフィ「おれの勝ち!」

 


ウタ「よ…よくもやってくれたわね…!」

 


ルフィ「逃げろ〜!」ダダッ

 


ウタ「待ちなさいルフィ〜!」ダッ

 


家の中で追いかけっこが始まった。

 


まるで昔のルフィとウタに戻ったようだった。

 


その後ルフィはウタにやり返され、

 


一緒にお風呂に入り、

 


一緒に夕食を食べ、

 


たわいもない会話をして、

 


笑い合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝室

 


ウタ「あ〜!楽しかったァ〜!」ノビー

 


ルフィ「ししし!」

 


ウタ「ねえルフィ!明日は…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——ルフィ「……………おれ死ぬんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタ「…ッ…!!」

 


ウタは今朝の話を思い出した。

 


ウタ「……………………」

 


ルフィ「…………」

 


今日が終わる。

 


それはつまり…ルフィがいなくなることを意味していた…

 


ウタ「ねえ………ルフィ………」

 


ルフィ「……なんだ…?」

 


ウタ「ほんとうに……ルフィ………明日………」

 


ルフィ「………ああ……」

 


ポロッ…

 


ウタ「いやだ……!いやだよルフィ……!…ヒグッ…ルフィがいなくなるなんて…いやだ…!」

 


ウタ「死んじゃいやだ…!私を置いていかないでよ…!」

 


ウタ「ずっと一緒にいるって言ったじゃんかァ…!約束したじゃん…!」

 


ルフィ「……ずっと一緒だ……」

 


ウタ「え…?」

 


ルフィ「死んでも………いつもウタのそばにいる…!」

 


ウタ「………」

 


ルフィ「おれはずっとお前のそばにいる…!…本当だ…!」

 


ウタ「……うぅ…」

 


ルフィ「ウタ…!」

 


ぎゅっ…!

 


ルフィ「お前は長生きしてくれ……」

 


ウタ「……」ギュッ…

 


ルフィ「おれたちが作ったこの"時代"で……」

 


ルフィ「ウタは優しいから…他のやつの幸せを考えて動くけど……それはいいことだけど……これからは自分の幸せのために生きてくれ……!」

 


ルフィ「ウタは自由だ…!……もしいいやつとか見つけたら…そいつと結婚して暮らせばいい」

 


ウタ「……私は…ルフィ以外の人とは結婚しないよ…」

 


ルフィ「それは……

 


ウタ「私が決めたこと……!私はルフィにも縛られてないよ…!」

 


ウタ「私はこの世の誰よりも自由だよ…!…ルフィを除いてね……」

 


ルフィ「そっか………」

 


ルフィ「ししし…!」

 

 

 

 

 

 

 


ルフィは笑い………ウタは……泣いていた……

 


ふたりはずっと抱きしめ合った。

 


この温もりを…いつまでも…忘れないように……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィ「電気消すな……」

 


ウタ「………うん………」

 


パチッ……

 


ふたりはベットに入り…布団を被る。

 


ウタ「…………………」

 


目を閉じたくない……

 


眠りたくない………

 


今日が………終わってほしくない…………

 


ウタ「………グスッ…………」

 


枕が濡れていく……

 


ルフィ「…ウタ……」

 


ウタ「……ん………」

 


ルフィ「お願いがある……」

 


ウタ「……うん…」

 


ルフィ「歌を歌ってほしい…」

 


ウタ「!」

 


ルフィ「いいか……?」

 


ウタ「………」

 


昔……シャンクスに聞いたことがある……

 


あれは4歳のとき……

 

 

 

 


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ウタ「ねえ、しゃんくす」

 


シャンクス「ん?どうしたウタ」

 


ウタ「なんでうたのなまえ、うたっていうの?」

 


シャンクス「あ〜…それはなぁ…」

 


ウタ「うん」

 


シャンクス「ウタと出会ったとき、ウタ泣いてたんだよ」

 


ウタ「そうなの?」

 


シャンクス「ああ。それで、おれが子守唄を歌ってやったら、泣き止んだんだ」

 


シャンクス「俺、みんなから音痴……歌が下手って言われてるんだが……ウタは俺の歌を聞いて笑ってくれた」

 


ウタ「………」

 


シャンクス「だからウタって名前にしたんだ。こいつは歌が好きそうだって」

 


ウタ「そうだったんだ」

 


シャンクス「ああ。それからも泣いたときは歌ってやってたんだ。みんなでな」

 


シャンクス「ウタすげえんだぜ。まるで怪物みてェに泣くんだ」

 


ウタ「ふーん……」

 


シャンクス「そーだ!」ポン

 


シャンクス「ウタも歌ってみたらどうだ」

 


ウタ「えっ……うたも?」

 


シャンクス「ああ」

 


ウタ「…うたうたってみる!」

 


シャンクス「おー、頼むな」

 


ウタ「………」

 


シャンクス(まあウタもまだガキだからなぁ……ちゃんと歌えるかどうか…)

 


ウタ「〜♪」

 


シャンクス「!」

 


ウタ「ど…どうだった…?」

 


シャンクス「………」ポカーン

 


ウタ「…シャンクス?」

 


シャンクス「すげぇぇぇ!ウタお前天才じゃねえか!?」

 


ウタ「ええ…!?」

 


ダダダダッ!バンッ!

 


シャンクス「おいお前ら!ちょっとこっちきてみろ!」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


私は歌が好き……

 


歌うこと自体もそうだけど……

 


私が歌を歌うとみんなが喜んでくれるから。

 


シャンクスも………

 


赤髪海賊団のみんなも………

 


ゴードンも………

 


一味のみんなも………

 


そして………

 


ルフィも…私が歌を歌うと…喜んでくれる……

 


笑顔になってくれる……

 


だから…私は歌が好き。

 


ウタ「当たり前だよ…ルフィ」

 


ウタ「昔…言ったでしょ…?…いつまでもルフィのために…歌ってあげるって」

 


ルフィ「ありがとう。ウタ」

 


ウタ「うん…」

 


ウタ「じゃあ……歌うね……ルフィ…」

 


ルフィ「ああ…」

 


ウタ「………ぅ……グスッ……」

 

 

 

 


ウタ「…………こ……」

 

 

 

 


ウタ「このかぜはァ………どこから…きたのと…グスッ…」

 

 

 

 


ウタ「……といかけても……ゥ…ウゥ………」

 

 

 

 


ウタ「………グスッ……」

 

 

 

 


ウタ「………そらはなにも…いわない……グスッ…」

 

 

 

 


ひどいものだった。

 

 

 

 


ウタ「こ……このうたはぁ……どこへたどりつくの」

 

 

 

 


伴奏はもちろん、いつものように音貝 トーンダイアルによる音源もない。

 

 

 

 


ウタ「ゲホッ……つけたいよじぶんだけのォ…こたえをぉ……」

 

 

 

 


歌は途切れ途切れになり………嗚咽も混じっている……

 

 

 

 


ウタ「……まだしら…ないうみのはてへと……グスッ…こぎこそう」

 

 

 

 


最初のAメロを歌うだけで…一曲歌い終わってしまうぐらいの時間がかかってしまった…

 

 

 

 


ウタ「…………た…だ…ひとつのゆめ……けしてゆずれ……な…ァァい…」

 

 

 

 


ウタ「こォ…ころ…にほをあ…げてェ…グスッ……ね……ねがいのまます…すめ………」

 

 

 

 


ウタ「…い…つだァってあな…たへ………グスッ…とど…く…ウゥ………ヒグッ……ウ…ウゥ……」

 

 

 

 


ウタ「よ………ように……うたうわァ…グスッ……」

 

 

 

 


ウタ「おおうな…グスッ……ばらを…かける………あたしいかぜ…になれ……………」

 

 

 

 


ウタ「グスッ………ヒグッ………」

 

 

 

 


それでもルフィは……

 

 

 

 


こんなひどい歌を……

 

 

 

 


文句も言わず…じっと聴いてくれていた……

 

 

 

 


いつもルフィに……

 

 

 

 


ルフィのために歌ってあげていたように…歌いたいのに…………

 

 

 

 


どうしてもいやな考えが浮かんでくる……

 

 

 

 


ウタ「それぞれにぃ…しあわ……せ…をめざし……」

 

 

 

 


もう…………

 

 

 

 


ルフィと…同じものを食べることも……

 

 

 

 


ウタ「きずついても…それでも…てを…ウゥ……のばすよ……ウゥゥ……」

 

 

 

 


同じ道を歩くことも………

 

 

 

 


ウタ「…か……かなしみも…つ………つよさにかわるなら……グスッ…」

 

 

 

 


たまに勝負することも………

 

 

 

 


ウタ「あれ…くるあらしもこえて…………ウゥ……」

 

 

 

 


ウタ「…グスッ…ヒグッ…………ウゥ…」

 

 

 

 


ウタ「………い………………いけるはず…」

 

 

 

 


一緒に寝ることも……………できない………

 

 

 

 


ウタ「……しんじる…そのたびのはてで…また………グスッ……あいたい…」

 

 

 

 


ルフィに…歌ってあげられるのも……これが最後…………

 

 

 

 


ウタ「……めざめたまま…みるゆめ………けしてさめはしな…ぁぁい……」

 

 

 

 


そうだ………

 

 

 

 


ウタ「すい…へいせんのかなた……そのかげにてをふるよ……」

 

 

 

 


これが最後なんだ………

 

 

 

 


ウタ「いつまでもあなたへ………とどくよお……にうたうわ……」

 

 

 

 


最後に届ける歌が…こんなのなんていやだ……

 

 

 

 


私が得意なのは……

 

 

 

 


人のためにできることは………

 

 

 

 


喜んでもらえるのは…………

 

 

 

 


歌を歌うこと……!!

 

 

 

 


ウタ「おおきく…ひろげたほが……まとう…あおいかぜ…になれ……!」

 

 

 

 


ウタ「グスッ………」

 

 

 

 


一番大切 ルフィな人のために………

 

 

 

 


私の……全身全霊の歌を……!!!

 

 

 

 


ウタ「ただひとつのゆめ…!だ…だれもうばえ…!なぁぁぁい……!」

 

 

 

 


ウタ「わたしがきえさっても…!ゴホッ…うたはひびきつづける…!」

 

 

 

 


ウタ「どこまでも…!あなた ルフィへ…!とどくように……うたうわ…!」

 

 

 

 


ウタ「おおうなばらをかける…!あた…らしいかぜ……になれ…!」

 

 

 

 


ウタ「ooh……」

 

 

 

 


ウタ「……グスッ……グスッ………」

 


ルフィ「ありがとう。ウタ」ニコッ…

 


ウタ「…!」

 


ルフィは…………

 


どこまでも…優しかった……………

 


ウタ「…どういたしまして…………ルフィ……」

 


ウタ「おやすみなさい……」

 


ルフィ「ああ……おやすみ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ありがとう………ルフィ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュンチュン……

 


ウタ「……ン……」パチッ…

 


…朝………

 


ウタ「……………」

 


ウタ「!」

 


ガバッ!

 


ルフィ…!ルフィは…!?

 


ウタ「…!」

 


ウタ「……う……うぅ………」

 


ウタ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 


喉から血が出るほどに………

 

 

 

 


ウタは泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日にシャンクスたちが訪ねて来なかったら…どうなっていたかわからない……

 


さらにその次の日、ルフィの葬儀が行われた。

 


参列したのは皮肉なことに、数ヶ月前の結婚式に出席したメンバーだった。

 


墓の場所はウタが決め、あの丘に建てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタを心配したシャンクスは、船に乗るように言ったが、ウタは断った。

 


ルフィとの思い出がある家やこの島、そして…墓を離れたくないと……

 


なにより……ウタはもう……船で航海をする気力はなかった……

 


それならばと赤髪海賊団はフーシャ村に住むことにした。

 


一味や友達もウタを心配し、会いに来てくれる頻度を増やしてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サァァァァァ……

 

 

 

 


パサッ…

 

 

 

 


ウタ「…………」

 

 

 

 


ウタは今日も墓参りをしていた。

 

 

 

 


毎日………毎日………

 

 

 

 


花を摘んで………

 

 

 

 


ポロポロ…

 

 

 

 


ウタ「…う…うぅ………」

 

 

 

 


——ルフィ「うんめェ〜!ウタ料理上手だな!」

 

 

 

 


——ルフィ「いまのはずりぃぞ、ウタ!」

 

 

 

 


——ルフィ「にしし!似合ってんぞ、ウタ!」ニカッ!

 

 

 

 


ウタ「……グスッ………ルフィ………」

 

 

 

 


—— ルフィ「おれはずっとお前のそばにいる…!」

 

 

 

 


ウタ「!」

 

 

 

 


そうだ………

 

 

 

 


ルフィは…きっと………

 

 

 

 


私を見守ってくれてる……

 

 

 

 


いつまでも泣いてちゃ……

 

 

 

 


悲しんでちゃ………

 

 

 

 


ルフィを心配させてしまう…!

 

 

 

 


私はひとりじゃない…!

 

 

 

 


いつだってそばにルフィがいてくれてる…!

 

 

 

 


見守ってくれてる…!

 

 

 

 


だから大丈夫。

 

 

 

 


大丈夫だよ………ルフィ…………

 

 

 

 


ウタ「……………」ニコッ…

 

 

 

 


サァァァァァァァァ………

 

 

 

 


ウタ「……………この風は……」

 

 

 

 


ウタ「どこからきたのと……」

 

 

 

 


ウタ「問いかけても……」

 

 

 

 


ウタ「空は何も言わない……」

 

 

 

 


ウタ「……この歌は……」

 

 

 

 


ウタ「どこへ辿り着くの」

 

 

 

 


ウタ「見つけたいよ」

 

 

 

 


ウタ「自分だけの答えを………」

 

 

 

 


ウタ「……まだ知らない海の果てへと」

 

 

 

 


ウタ「漕ぎ出そう……!」

 

 

 

 


そうだ……!

 

 

 

 


ルフィは私の歌が好きだった。

 

 

 

 


—— ルフィ「歌を歌っているときのウタはなによりも輝いていて綺麗だ」

 

 

 

 


これから毎日……ルフィのために…歌を歌いにこよう…!

 

 

 

 


ウタ「ただひとつの夢♪」

 

 

 

 


ウタ「決して譲れない♪」

 

 

 

 


ウタ「心に帆を揚げて♪」

 

 

 

 


ウタ「願いのまま進め♪」

 

 

 

 


ウタ「いつだって あなた ルフィへ♪」

 

 

 

 


ウタ「届くように♪」

 

 

 

 


ウタ「歌うわ♪」

 

 

 

 


ウタ「大海原を駆ける♪」

 

 

 

 


ウタ「新しい風になれ♪」

 

 

 

 


ウタは次第に、光の粒子を纏っていた。

 

 

 

 


ウタ「それぞれに♫」

 

 

 

 


ウタ「幸せを目指し♫」

 

 

 

 


ウタ「傷ついても それでも 手を伸ばすよ♫」

 

 

 

 


ウタ「悲しみも 強さに変わるなら♫」

 

 

 

 


ウタ「荒れ狂う嵐も超えていけるはず♫」

 

 

 

 


ウタ「信じるその旅の果てで また 会いたい♫」

 

 

 

 


サァァァァァ……

 

 

 

 


ウタの歌声に倣うように、優しく…穏やかな海風が吹く…

 

 

 

 


ウタ「目覚めたまま見る夢♫」

 

 

 

 


ウタ「決して醒めはしない♫」

 

 

 

 


ウタ「水平線の彼方♫」

 

 

 

 


ウタ「その影に手を振るよ♫」

 

 

 

 


ウタ「いつまでも あなた ルフィへ♫」

 

 

 

 


ウタ「届くように 歌うわ♫」

 

 

 

 


ウタ「大きく広げた帆が♫」

 

 

 

 


ウタ「纏う 青い風になれ♫」

 

 

 

 


その歌声は風になり………

 

 

 

 


どこまでも…………

 

 

 

 


どこまでも響き渡る。

 

 

 

 


ウタ「ただひとつの夢♬」

 

 

 

 


ウタ「誰も奪えない♬」

 

 

 

 


ウタ「私が消え去っても♬」

 

 

 

 


ウタ「歌は響き続ける♬」

 

 

 

 


ウタ「どこまでも あなた ルフィへ♬」

 

 

 

 


ウタ「届くように 歌うわ♬」

 

 

 

 


ウタ「大海原を駆ける♬」

 

 

 

 


ウタ「新しい風になれ♬」

 

 

 

 


ウタ「ooh♬」

 

 

 

 


サァァァァァ……

 

 

 

 


もう……迷いはない…

 

 

 

 


ウタ「ルフィ………また明日……」

 

 

 

 


スクッ……

 

 

 

 


スタスタ……

 

 

 

 


ルフィは………私のそばにいて……

 

 

 

 


見守ってくれているから…!

 

 

 

 


ウタ「ふふっ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「ウタ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「!」

 

 

 

 


クルッ…

 

 

 

 


ウタ「……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「ルフィ…!」ポロッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワンピース『手に負えない妄想。その先にあるのは究極のルウタ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


103作目

『いつまでもあなたへ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「ふふっ…!みんなとこうやって騒ぐのすっごく楽しいね」

 


ルフィ「ああ」シシシ!

 


ウタ「ルフィのお友達みんないい人だし」

 


ルフィ「ししし!そうだろ!」

 


ウタ「うん!………私…ルフィと結婚できて幸せだよ」

 


ルフィ「おれもだ」

 


ウタ「これからふたりで一緒の家に住むんだよね…」

 


ルフィ「ああ」

 


ウタ「一緒に住んで……一緒に同じものを食べて……一緒に寝て………一緒同じ景色を見て………勝負して…………たまにケンカして……………ルフィとふたりで笑い合っていたい………」

 


ルフィ「……ああ」

 


ウタ「私…ルフィのために、美味しいものたっっくさん作ってあげるね!」

 


ルフィ「ししし!…ありがとな…」

 


ウタ「あと………いつまでもルフィのために……歌を歌ってあげる……」

 


ウタ「ルフィ…………私の歌……好きだよね……?」

 


ルフィ「当たり前だろ。ウタの歌は最高だ」

 


ウタ「えへへ……嬉しい…」

 


ルフィ「ありがとな。ウタ」

 


ウタ「うん…!」

 


ルフィ「………今日も……歌ってくれるか…?」

 


ウタ「もちろん!…じゃあ今から歌うね」

 


ルフィ「よろしくな」

 


ウタ「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ルフィ「ありがとう。ウタ」

 


ウタ「どういたしまして」

 


ウタ「……」

 


ウタ「ルフィ……」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「これからもよろしくね」

 


ルフィ「ああ!よろしくな」

 


ルフィ「ウタ」

 


ウタ「?」

 


ルフィ「おれはずっとお前のそばにいる。そばでお前を守り続けて……幸せにする…!」

 


ウタ「…!」

 


ウタ「うん…!ありがとうルフィ…!」

 


ルフィ「しししし!」ニカッ

 


ウタ「ふふっ…!」ニコッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

104作目

『ウタの初恋』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


公園でウタはブランコに座っていた。

 


ウタ「…グスッ………」

 


ルフィ「お〜〜い、ウタ〜〜!しょうぶしようぜ〜!」タッタッタッ

 


ウタ「!」

 


ウタ「………」ゴシゴシ…

 


ルフィ「どうしたんだ?」

 


ウタ「…………」

 


ルフィ「ないてたのか?」

 


ウタ「泣いてない………あっち行って」

 


ルフィ「やだ」

 


ウタ「なんで」

 


ルフィ「ウタがないてんのに、ほっとけねえよ!」

 


ウタ「……そ」

 


ウタ「…………」

 


ウタ「ねえルフィ」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「私歌手になるのむりなのかな…」

 


ルフィ「?」

 


ルフィ「なんでだ?」

 


ウタ「今日学校でね……将来の夢を発表したの……歌手になって……世界中の人を幸せにするって………」

 


ルフィ「うん」

 


ウタ「そしたらみんなが……そんなのむりって…………できるわけないって………」

 


ルフィ「ふーーん」

 


ウタ「…………グスッ…」

 


ルフィ「で?」ハナホジホジ

 


ウタ「……ッ………だから…!私が歌手になるのはむりなんじゃないかって…!」

 


ルフィ「なればいいじゃねえか」

 


ウタ「は……?」

 


ルフィ「ほかのやつなんかかんけーねえよ。ウタがなりたいんだから」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「あきらめたらそこでおわりなんだぞ」

 


ウタ「!」

 


ルフィ「ウタ、うたのべんきょーすっげえがんばってるし」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「おれウタのうただいすきだ!」

 


ウタ「!」

 


ルフィ「ししししし!」ニカッ

 


ウタ「…………ありがと……ル……

 


ぐうぅぅぅぅ…!

 


ウタ「………」

 


ルフィ「はらへった〜〜〜!」

 


ウタ「……………プッ」

 


ウタ「あはははははははは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

105作目

『ルフィ「……」ニッ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「そういえばウタ、なんか用があったんじゃねえのか?」

 


ウタ「あっ…!……ふふっ…」

 


ルフィ「?」

 


ウタ「ジャーン!ルフィ、ハッピーバレンタイン!」

 


ルフィ「おお!チョコかそれ!?」

 


ウタ「うん!手作りのだよ!」

 


ルフィ「くれるのか!?」

 


ウタ「もちろん!」

 


ルフィ「ありがとな!ウタ!」

 


ウタ「うん!大好きだよルフィ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

110作目

『どこまでもあなたへ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「今日からここで…一緒に暮らすんだね…」

 


ルフィ「ああ…」

 


ウタ「ふふっ…!あらためてよろしくね、ルフィ!」

 


ルフィ「ああ!よろしくな、ウタ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


同じものを食べ、

 


ルフィ「うんめェ〜!ウタ料理上手だな!」

 


ウタ「ほんと!?ありがとうルフィ!」

 


ルフィ「ああ!最高だ!」

 


ウタ「えへへ…」

 


同じ道を歩き、

 


ウタ「あっ!ルフィあれ見て!」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「あの雲の形、お肉みたいだよ!」

 


ルフィ「お〜!」

 


ぐぎゅるるるる…

 


ウタ「ふふっ!おっきな音!今日もご飯たっくさん作ってあげるね!」

 


ルフィ「ありがとな!ウタ!」

 


ウタ「ふふっ!」

 


ルフィ「……おっ…!」タタッ…!

 


ウタ「?」

 


ウタ「どうしたのルフィ?」

 


ルフィ「これ…!花」

 


ウタ「うわ〜!きれい…」

 


スッ

 


ウタ「わっ」

 


ルフィ「にしし!似合ってんぞ、ウタ!」ニカッ!

 


ウタ「…!///」

 


ウタ「ありがとっ…///」

 


ルフィ「ししし!」

 


たまに勝負して…

 


ウタ「いぇーい!私の勝ち〜!」

 


ルフィ「いまのはずりぃぞ、ウタ!」

 


ウタ「出た〜!負け惜しみィ〜!」ワキワキ

 


ルフィ「くそ〜〜」

 


一緒に寝た。

 


ウタ「あ〜…!今日も楽しかった〜…!」

 


ルフィ「そうだな…!」ニシシ!

 


ウタ「ふふっ……ルフィの体あったかい…」キュッ…

 


ルフィ「ウタもあったけえぞ」

 


ウタ「そう?」

 


ルフィ「ああ」

 


ウタ「…そっか…」

 


ウタ「…おやすみ、ルフィ」

 


ルフィ「おやすみ、ウタ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

111作目『おれたちは何をみせられてんだ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「……」ポチッ

 

 

 

 


♫〜♫〜♫

 


ルフィ『改札の前つなぐ手と手』

 


ルフィは目を閉じながら歌う。

 


ルフィ『いつものざわめき新しい風』

 


ルフィ『明るく見送るはずだったのに』

 


ルフィ『うまく笑えずに君を見ていた』

 


ルフィ『君が大人になってくその季節が』

 


ルフィ『悲しい歌で溢れないように』

 


ルフィ『最後に何か君に伝えたくて』

 


ルフィ『「さよなら」に代わる言葉を僕は探してた』

 


♫〜♫〜♫

 


ルフィ『君の手を引くその役目が』

 


ルフィ『僕の使命だなんて そう思ってた』

 


ルフィ『だけど今わかったんだ 僕らならもう』

 


ルフィ『重ねた日々が ほら 導いてくれる』

 


ルフィ『君が大人になってくその時間が』

 


ルフィ『降り積もる間に僕も変わってく』

 


ルフィ『たとえばそこにこんな歌があれば』

 


ルフィ『ふたりはいつもどんな時もつながっていける』

 


♫〜♫〜♫

 


ルフィ『突然ふいに鳴り響くベルの音』

 


ルフィ『焦る僕 解ける手 離れてく君』

 


ルフィ『夢中で呼び止めて 抱き締めたんだ』

 


ルフィ『君がどこに行ったって僕の声で守るよ』

 


ウタ「!」

 


目を開けたルフィはまたウタのほうを見た。

 


ルフィ『君 ウタが僕の前に現れた日から』

 


——海賊なら…!出てけ!!

 


ルフィ『何もかもが違くみえたんだ』

 


——早く海賊になって……海へ出てえ…!

 


ルフィ『朝も光も涙も』

 

 

 

 


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ウタ「〜♪」

 


ルフィ「…!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ルフィ『歌う声も』

 


ルフィ『君 ウタが輝きをくれたんだ』

 


ウタ「……///」

 


ルフィ『抑えきれない思い 好きをこの声に乗せて』

 


ルフィ『遠く君の街へ届けよう』

 


ルフィ『たとえばそれがこんな歌だったら』

 


ルフィ『ぼくらは何処にいたとしてもつながっていける』

 


♫〜♫〜♫

 

 

 

 


ウタ「…///」

 


もちろんこの曲の歌詞は(いままでのも)ルフィが考えたものではないが、どこかルフィとウタを表すようなものがところどころにあった。

 


さらにその歌詞のときにルフィはウタを見ながら…と言うよりウタに向けて歌っていた。

 


そのためウタはドキドキしていた。

 


サンジ(ルフィがラブソングを……)

 


ブルック(さらに歌手であるウタさんに向けて歌で愛を伝えようとして……)

 


ロビン(ロマンチストねえ…♡)

 


ルフィ「……」ポチッ

 

 

 

 


♫〜♫〜♫

 


ウタ「…!」

 


今回は最初からルフィはウタのほうを見ていた。

 


ルフィ『明日、今日よりも好きになれる』

 


一味「!?」

 


ウタ「…!///」

 


ルフィ『溢れる想い 愛が止まらない』

 


ルフィ『今もこんなに好きでいるのに』

 


ウタ(す……好き…///)

 


ルフィ『言葉に出来ない』

 


ルフィ『君のくれた日々が積み重なり 過ぎ去った日々2人歩いた「軌跡」』

 


ルフィ『僕らの出逢いがもし偶然ならば? 運命ならば?』

 


ルフィ『君に巡り合えた それって「奇跡」』

 


ルフィ『2人寄り添って歩いて 永久の愛

ウソップ(愛!?)

を形にして』

 


ルフィ『いつまでも君の横で 笑っていたくて』

 


ルフィ『アリガトウや Ah 愛してるじゃまだ

フランキー(愛してる!?)

足りないけど』

 


ルフィ『せめて言わせて 「幸せです」と』

 


さっきのはまだしも、今歌ってるのは紛れもないなラブソングだった。ラブラブソングだった。

 


しかも歌詞全てがルフィとウタを表してる…のかはわからない。

 


一味はルフィの口からは出てこないであろう言葉が出てきて戸惑っていた。

 


傍から見れば完全にルフィがウタに対して愛を歌っていた。

 


ロビン「あらあら…♡」ウフフ♡

 


ルフィ『いつも』スッ…

 


ルフィはゆっくりと立ち上がった。

 


ルフィ『君の右の手の平を』

 


そしてウタに近づく。

 


ルフィ『ただ僕の左の手の平が』スッ…

 


そして左手を伸ばし、

 


ルフィ『そっと包んでくそれだけで』ギュッ…

 


ウタの右手を優しく握り、

 


ルフィ『ただ愛を感じていた』

 


優しい眼差しを向けた。

 


ウタ「ひゃぁぁぁ…///」ドキドキ

 


ルフィ『日々の中で』スタ…

 


ナミ「うわぁ…///」

 


ウタの手を離したルフィは反時計回りに回る。

 


ルフィ『小さな幸せ』スタ…

 


ロビン「あら…♡」

 


ルフィ『見つけ重ね』スタ…

 


チョッパー「……」ボウゼン…

 


ルフィ『ゆっくり歩いた「軌跡」』スタ…

 


ウソップ「……」アゼン…

 


ルフィ『僕らの』スタ…

 


ブルック「ヨホ♡」

 


ルフィ『出会いは』ビチャッ…

 


フランキー「……」アゼン…

 


ルフィ『大きな世界で』スタ…

 


ゾロ「……」

 


ルフィ『小さな出来事』スタ…

 


ジンベエ「……」アゼン

 


ルフィ『巡り合えた』スタ…

 


サンジ「」

 


ルフィ『それって「奇跡」』トサッ…

 


ルフィは元座っていたところに戻った。

 


ルフィ『うまく行かない日だって 2人で居れば晴れだって』

 


ウタ「///」ドキドキ///

 


そしてまたウタを見る。

 


ルフィ『強がりや寂しさも 忘れられるから』

 


ルフィ『僕は君でなら 僕で居れるから』

 


ルフィ『だからいつも そばにいてよ 「愛しい君へ」』

 


ウタ「/////」ドキンドキン///

 


ルフィ『2人フザけあった帰り道 それも大切な僕らの日々』

 


ルフィ『「想いよ届け!」と伝えた時に 初めて見せた表情の君』

 


ルフィ『少し間が空いて 君がうなずいて 僕らの心 満たされてく愛で』

 


ルフィ『ぼくらまだ旅の途中で またこれから先も何十年』

 


ルフィ『続いていけるような未来へ』

 


ルフィ『例えばほら 明日を見失いそうに 僕らなったとしても』

 


ルフィ『2人寄り添って歩いて 永久の愛を形にして』

 


ルフィ『いつまでも君の横で 笑っていたくて』ニコッ

 


ウタ「!」ドキン///

 


ルフィ『アリガトウや Ah 愛してるじゃまだ足りないけど』

 


ルフィ『せめて言わせて 「幸せです」と』シシシ…!

 


ルフィ『うまく行かない日だって 2人で居れば晴れだって』

 


ルフィ『喜びや悲しみも 全て分け合える』

 


ルフィ『君がいるから 生きていけるから』

 


ルフィ『だからいつも そばにいてよ 「愛しい君へ」』

 


ウタ「キャァァァ…///」ドキンドキン///

 


ナミ「…///」

 


ロビン「あらぁ…♡」

 


ルフィはウタに向けて歌っている。

 


だがウタの隣に座っているナミ、その隣に座るロビンも、自分たちのほうにルフィの体が向いているので、ウタに歌っていると分かっていても、ときめいていた。

 


ルフィ『最後の一秒まで』

 


ルフィ『明日、今日より笑顔になれる』

 


ルフィ『君がいるだけで そう思えるから』

 


ルフィ『何十年』

 


ルフィ『何百年』

 


ルフィ『何千年』

 


ルフィ『時を超えよう』

 


ルフィ「ウタを愛してる」

 


ウタ「……/////」プシュゥゥゥ…///

 


ブルック「ウワァァァァオ♡」

 


ナミ「うわぁぁぁ…///」

 


ロビン「素敵…♡」

 


ルフィ「!」キィーン!!

 


ウタ「」ボシュン///

 


ポスッ…

 


ウタはキャパオーバーして気絶してしまったが、ルフィが倒れそうになったところを優しく受け止めた。

 


ルフィ「そろそろ帰るな。またなみんな」

 


ガチャ……

 


パタン………

 


そしてウタをお姫様抱っこしてそのまま帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

112作目

『ウタ「発売されたよ!」』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「ウタ酒弱えだろ」

 


ウタ「そ、そんなことないよ!」

 


ルフィ「そっかぁ?」

 


ウタ「そうよ!」

 


ルフィ「ふ〜ん」

 


ウタ「ル…ルフィは強いの!?」

 


ルフィ「おう!」

 


ウタ「じゃあ飲んでみて!」

 


ルフィ「え〜……おれ酒好きじゃ…

 


ウタ「な〜んだ。弱いんじゃん」

 


ルフィ「違うぞ…!好きじゃねえだけだ!」

 


ウタ「出た〜。負け惜しみ〜」ニシシ

 


ルフィ「わかった!飲む!ちょっと待ってろ!」ダッ

 


ウタ「あっ…!」

 


ルフィは急いでスーパーでお酒を買ってきた。

 


ルフィ「買ってきたぞウタ!」

 


ウタ「おかえり……お酒?」

 


ルフィ「ああ!」

 


ウタ「なにこれ…?スピリタス……?初めて見る…」

 


ルフィ「酒のことはよくわかんねェから適当に買ってきた!飲むぞ〜!」ゴクゴク

 


ルフィは早速買ってきたお酒をがぶ飲みした。

 


数分後…

 


ルフィ「……………」

 


ウタ「あ………あの………ルフィ…?」

 


ルフィ「……………………」

 


ウタ「だ……大丈夫…?」

 


ルフィ「…………う」

 


ウタ「う?」

 


ルフィ「うたーーー!」バッ‼︎

 


ウタ「うわ゛っっ」

 


もにゅっ…!

 


ルフィはウタの胸に顔を埋めた。

 


ウタ「ル…///ルフィ…///」

 


ルフィ「zzz……」

 


ウタ(ひいいい……///だれかたすけて〜!///)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

118作目

『もはや誰』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「…!」

 


ルフィ「ウタ…」

 


一味「!?」

 


ウソップ「知り合いか!?ルフィ!?」

 


ルフィはウソップの質問に答えることなく、ゆっくりと歩く。

 


そしてウタもルフィに向かって歩き、

 


ギュッ

 


一味「!?!?」

 


ハグをした。そして…

 


チュッ

 


一味「はァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

 


チョッパー「えぇえぇえぇえぇえ!?!?!?」

 


ウソップ「!?!?!?!?!?」

 


サンジ「¥%!+→5<:|・!☆$8?々&A!」

 


ナミ「えっ///!?ウソ///」

 


ブルック「!?!?」

 


ロビン「…!?」

 


フランキー「どうなってんだ…!?」

 


ジンベエ「…!?」

 


ゾロ「グゴー…」zzz…

 


一味は信じられなかった。

 


目の前でルフィと女性がキスをしている。

 


米の炊き方も知らないあのルフィが。

※ホールケーキアイランドへ向かう際の悪夢の『おれの気まぐれカレー』

 


ウタ「…んっ♡…ひさしぶり、ルフィ」

 


ルフィ「ああ」

 


ナミ「ル…ルルルルルフィ…!」

 


ルフィ「ん?」

 


ナミ「そ…!その…!」ユビサシ

※「その人誰?」

 


ルフィ「ああ…!ウタだ。おれの幼なじみ」

 


一味「えぇーーーーーーーーーーー!?!?」

 


フランキー「ルフィに幼なじみがいたのか…!」

 


ウソップ(だからってキスするか!?)

 


ウタ「今日からこの船に乗せてもらうね」

 


一味「えぇーーーーーーーーーーー!?!?」

 


ウタ「いいよねルフィ」

 


ルフィ「ああ、もちろん」

 


こうして一味に新しい仲間(?)ができた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼食時

 


スッ…

 


ロビン「あら…」

 


ブルック「…!?」

 


ルフィは座ろうとするウタの椅子を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある時…

 


チュッ

 


ルフィは片膝をついてウタの手の甲に口づけをしていた。

 


フランキー「マジかよ…」

 


ウソップ「もはや誰だあれ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

120作目

『もしもルフィとプリンセス・ウタが婚約していたら』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


チョッパー「ん?」

 


ウソップ「おいルフィ!」

 


バチン

 


スタッ

 


ルフィ「……あ…!やっぱりそうだ!」

 


ウタ「…ん?」

 


ルフィ「ウタ。お前ウタだろ」

 


ウタ「え?」

 


ルフィ「おれだよ!おれ!」

 


ウタ「おれ…?」

 


ウタ「!」

 


ウタ「もしかして…ルフィ!?」

 


ルフィ「ひさしぶりだな〜ウタ〜!」

 


ウタ「ルフィ〜!」ダダッ…!ギュッ!

 


ウソップ「えっ」

 


チョッパー「んええええ〜!」

 


サンジ「ウゥ…(泣)」

 


ナミ「……エッ…」

 


ロビン「ルフィ、ウタと知り合いだったの?」

 


サンジ「てめぇ!だったら紹介ぐらいしやがれ〜!」

 


ウソップ「お前なんでプリンセス・ウタと知り合い––––

チョッパー「なんだー!?」

 


ルフィ「だってこいつ、シャンクスの娘だもん」

 


観客たち「えええええええええ〜〜〜〜!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ルフィ「」バクバクバク

 


ルフィは焼いたお肉を次々と平らげていた。

 


スタッ

 


ルフィ「!」

 


ウタ「ルフィ!みんな!楽しんでる?」

 


ウソップ「はひ!プリンセス・ウタ!」

 


サンジ「珍しい食材もあるしね。天国だよここは」

 


チョッパー「楽しいことだらけだな〜!」

 


ウタ「よかった。みんなに喜んでもらえて」

 


ウタ「………」

 


ウタ「ルフィ…」

 


ルフィ「」モグモグモグ…ゴックン

 


クルッ

 


ルフィ「………」

 


ウタ「………」

 


ルフィは唐突に食べるのをやめると、ウタの方を向いた。

 


ルフィ「………」スタスタ

 


そして、ルフィはウタの目の前まで歩いた。

 


チョッパー「……?」

 


ウソップ「ん…?」

 


ルフィ「………」

 


ウタ「…………」

 


ウタはゆっくりと目を閉じた。

 


何かを待っているようだった。

 


もしくは、何かを期待していた。

 


ルフィ「…………」

 


ルフィは右手をウタの左頬に添えて、

 


キスをした。

 


一味「えええええええええええぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!?!?!?!?」

 


ウタ「…んっ……♡」

 


ウタ「///」

 


ウタは手で顔を隠した。

 


ルフィ「………」

 


一味のみんなはあまりにも衝撃的なシーンで唖然としており、声も出せなかった。

 


しばらくしてウタが喋る。

 


ウタ「覚えていてくれたの…?」

 


ルフィ「当たり前だろ」

 


ウタ「…嬉しい……」

 


ウタ「私があげたやつは?」

 


ウタ「……手にはつけてないけど…」

 


ルフィ「ここにある」

 


ルフィは頭の麦わら帽子を取った。

 


そして帽子の帯を捲ると、そこには指輪が縫い付けてあった。

 


ウタ「あっ…!私があげた指輪…!」

 


ルフィ「おれはパンチで戦うからな。手につけてると壊れるからここにつけてあるんだ」

 


ウタ「へぇ〜。誰につけてもらったの?」

 


ルフィ「マキノ」

 


ウタ「そっか…マキノさんに…」

 


ルフィ「ウタは?おれがあげたやつ……」

 


ウタ「持ってるよ。ほら…!」

 


ウタは指輪を取り出して、ルフィに見せた。

 


ルフィ「ししし…!」

 


ウタ「ふふっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

121作目

『最強ルフィとウタの1日』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【6:00】

 


ウタ「ん……」パチッ…

 


朝……

 


私はだいたい日の出とともに起きる。

 


もぞもぞ…

 


ウタ「ルフィ……」

 


体を動かして横を見る。

 


するとルフィはいなかった。

 


先に起きたのかも知れない。

 


リビングに居るかな?

 


流石に何かあったわけじゃないと思うけど、夜一緒に寝たのにいなくなっていたら、少し不安になる。

 


ベッドから起きて、リビングに向かう。

 


リビングにはいなかった。

 


キッチン、洗面所、トイレにもいない。

 


不安だ。

 


じゃあ……外かな……。

 


ガチャ

 


ウタ「あっ…」

 


玄関のドアを開けると、少し離れた場所にルフィがいた。

 


ルフィ「おっ。ウタ。おはよう」

 


よかった。

 


まあ心配してなかったけど。

 


ウタ「おはよう。ルフィ」

 


ウタ「外で何してたの?」

 


ルフィ「いい天気だからな。ちょっと体動かしてた」

 


ウタ「そっか」

 


ルフィは寝起きいいから、朝から元気だね。

 


私たちの家の周りは平原で、すごく広々してるから、たくさん体を動かせる。

 


ルフィ「ごめんな。心配させて」

 


バレてる。

 


ルフィには敵わない。

 


ただでさえ生き物の感情に敏感なのに、最近は女心までわかっている。

 


〈たとえば勝負をすることになったら、普通大人になると手加減などをして相手を勝たせたりする。

 


〈しかしルフィは、ウタが手加減などで勝たせてもらうことを嫌うとわかっており、手加減しなかったり、そもそも自分が不利な勝負をしたり、引き分けに持ち込んだりする。

 


〈それもウタに気づかれないように。

 


〈だか、勝負に限らず日常のあらゆる場面でウタのことを気遣っているので、少なからずウタもそのことに気づいていた。

 


前なんか「ぎゅーってしてほしいなー」ってちょっと考えたら、してくれたからね。

 


〈そのときのウタの顔から湯気が出たのは言うまでもない。

 


ウタ「うんん。大丈夫。朝ごはん作るね」ニコッ

 


ルフィ「ああ。ありがとな」

 


〈今のルフィは簡単な料理なら難なく作れるので、ウタを手伝うこともできる。

 


〈だがウタの「ルフィにご飯を作ってあげたい!」という思いを知っているので、それを汲んで手伝うとは言わなかった。

 


手や顔を洗うために洗面所に向かう。

 


よし!

 


おいしい朝ごはん、たっくさん作るよ!

 


それにしても…

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「ウタ。おはよう」ニコッ

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


朝から眩しすぎた。

 


私の旦那さまかっこよすぎ。

 


ときめいたの顔に出ないようにポーカーフェイスしたけど、バレてないよね。

 


〈もちろんバレていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【7:40】

 


ルフィ「いただきます」

ウタ「いただきます!」

 


ルフィのためにたーくさん作った。

 


もちろんお肉!

 


私は正直、朝からこれは胃もたれしちゃいそうだけどね。

 


ルフィ「美味いぞウタ!」

 


ウタ「ふふっ…!ありがとう」

 


頑張ってよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【8:00】

 


食べ終わった。

 


本当ならルフィは数分(もっと短いかも)で食べ終えちゃうんだけど、いつも私の食事スピードに合わせてくれている。

 


ルフィ「ごちそうさま」

ウタ「ごちそうさまでした!」

 


ルフィ「皿洗うか」

 


ウタ「うん」

 


ウタ「……」フキフキ…

 


洗った食器を、布巾で拭く。

 


洗剤で私の手が荒れないようにと、ルフィが洗ってくれている。

 


優しい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【12:55】

 


ルフィと一緒にお昼ご飯も食べて、食器も片付けたら次は家事。

 


洗濯をしたり、掃除機をかけたり。

 


ルフィはお昼を食べた後も筋トレ。

 


頑張ってるルフィを見たら、私も頑張りたくなった。

 


ついでに雑巾掛けもしよう。

 


ルフィ「ウタ。おれもやるよ」

 


雑巾を水に濡らしていたら、筋トレしていたはずのルフィが声をかけてきた。

 


実は雑巾掛けもいい運動になるらしい。

 


ほんとかなぁ。

 


ルフィがさっきやってたやつに比べたらよゆーだと思うけど。

 


もちろん私もよゆー。

 


ダダダダダ…!

 


ルフィと並んで雑巾掛け。

 


これもまた、私のスピードに合わせてくれてる。

 


数分後…

 


ウタ「ハァ……ハァ……」

 


なめてた。

 


ほんとにいい運動になる。

 


家じゅうやるとさすがにきつい。

 


でもルフィと一緒にやると楽しいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【16:30】

 


お風呂上がりのストレッチ。

 


朝起きた後にするのも好きだけど、お風呂から出た後にするのも好き。

 


ルフィが手伝ってくれて、ペアストレッチになった。

 


スマホでやり方を調べながらやっていく。

 


ひとりでやるよりずっと楽しい!

 


ルフィと一緒だとなんでも楽しくなっちゃう。

 


そういえばルフィの体って"自由"だから、ストレッチとかの柔軟性を高めるトレーニングしなくていいんだよね。

 


ロビンさんの関節技もまったく効かないからね……

 


うらやましい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【19:10】

 


さすがにお風呂入った後は、筋トレしないみたい。

 


夜ごはんも食べて、今はルフィと仲良くテレビ。

 


ルフィにくっついてバライティ番組を観ている。

 


たまに手を握ったり、腕に抱きついたり、すりすりしたり……

 


ルフィも頭を撫でてくれる…

 


幸せ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【21:55】

 


そろそろ寝る時間。

 


今日という1日が始まった場所に向かう。

 


ウタ「ふわ〜ぁ……」ウトウト…

 


ルフィ「電気消すな?」

 


先にベッドに入っている私にルフィが言う。

 


ウタ「うん……」

 


パチッ

 


もぞ…

 


ベッドに入ってきたルフィにぎゅっと抱きつく。

 


するとルフィも優しく抱きしめてくれる。

 


あったかい……

 


ルフィ「おやすみ。ウタ」ナデ…

 


ウタ「ん……」

 


ウタ「おやすみ………ルフィ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

122作目

『もしもルフィがゴードンから昔何があったのかを聞かされていたら』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「ルフィ……」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「さっき……ひどいことして…ごめんね……」

 


ルフィ「しししし!気にしてねえよ!」

 


ウタ「…ありがとう……」

 


ルフィ「おれの仲間もみんな気にしてねえよ!」

 


ウタ「そ…そうかな……」

 


ルフィ「ああ!」ニカッ

 


ルフィ「……ん?」

 


ウタ「……どうしたの、ルフィ」

 


ルフィ「その左手の、もしかしておれが書いたやつか?」

 


ウタ「あっ…………」

 


ウタ「……う…うん……。そうだよ……」

 


ウタ「……ルフィ…覚えてくれてたの…?」

 


ルフィ「当たり前だろ!おれたちの"新時代"のマークだ!」

 


ウタ「…!!」

 


ルフィ「ししししし!」ニカッ

 


ウタ「…ルフィ……」ジワッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

123作目

『最強ルフィとウタの1日②』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【6:05】

 


チュンチュン

 


ウタ「…ンゥ……」モゾ…

 


パチッ…

 


朝……

 


ルフィ「おはよう。ウタ」

 


ウタ「……ん……」

 


ウタ「…はよう……ルフィ………」

 


ルフィ「ししし…」

 


ルフィは私より早くに目覚める。

 


前に、起きたらルフィがベッドにいなくて不安になってしまったことがあった。

 


だからルフィは、私が不安を感じないよう目を覚ますまで待ってくれている。

 


ウタ「えへへ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【17:30】

 


ごはんの前に、先にお風呂入ってもらうため、作っている途中でルフィを呼ぶ。

 


ウタ「ルフィー!」

 


ビッ

 


ウタ「お疲れ様。ルフィ」

 


ルフィ「飯はまだ途中か」

 


〈ウタはフライ返しを持ったままだった。

 


ウタ「うん。先にお風呂入っちゃって」

 


ルフィ「おう」

 


ルフィって外ではどんな運動してるんだろ……?

 


気になる……

 


ごはんのときに聞いてみよ。

 


ルフィ「エプロン可愛いな」

 


ウタ「…えっ…///あ…ありがとう…///」

 


ルフィ「ししし…!」

 


〈ルフィはお風呂へ向かった。

 


ウタ「…///」

 


ルフィ「料理焦げるぞー」

 


えっ…!あっ!やばい!

 


バタバタ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【18:00】

 


もぐもぐ…

 


さっき「可愛い」って言われて、嬉しかったからごはんができてもエプロンのまま。

 


ルフィ「うめー」バクバク

 


また…言ってほしいな………

 


…言ってくれるかな…………

 


ルフィ「ウタのエプロン姿可愛いな」

 


ウタ「///」

 


い…!言ってくれた……!///

 


嬉しい……///

 


ウタ「えへへ…///」

 


ルフィ「しししし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【20:00】

 


今はソファでくつろぎ中。

 


ウタ「ルフィ、本読むのどお?」

 


ルフィ「…嫌ではないな……。読んでるやつ冒険する話で、読んでるとおれも冒険してる気分になる」

 


ウタ「へ〜」

 


ルフィ、昔は自分自身の体験を大切にしていたけど、小説のような疑似体験も楽しめるようになったんだね。

 


私は昔、体よりも心の方が大事だと思っていた。

 


だけど今は、心も体も大事だと思っている。

 


だって………

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「おやすみ。ウタ」ナデ…

 


ウタ「ん……」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ね…………

 


ウタ「あっ」

 


本の話で思い出した。

 


私はルフィの腕の中から出て、隠しておいたものを取りに行く。

 


ウタ「ルフィ!」

 


午前中に買っておいたものを背中に隠して、ルフィの前に出た。

 


ルフィ「なんだウタ」

 


ウタ「はい!プレゼントだよ!」ジャーン!

 


ルフィ「おー。なんだこれ」

 


ウタ「鞄!」

 


ウタ「ルフィ外に行くときの荷物、全部ポケットか手に持つでしょ。だから今度からそれ使って!」

 


ルフィは高速で移動することがある。

 


それにルフィに合ってると思ってランニングバッグを選んだ。

 


〈ルフィはチャックを開けたり、身につけたりして、使用感を試す。

 


ルフィ「いいなこれ」

 


ウタ「でしょ!本も入れられるよ!」

 


ルフィ「しししし!ありがとな、ウタ!」

 


ウタ「どういたしまして!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

125作目

『私だって…ルフィのために…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ルフィ「」グッ…グッ…

 


ウタ「………」

 


ルフィは今日も鍛練をしていた。

 


場所は家。

 


ウタ「ねえルフィ」

 


ルフィ「ん?」ピタッ

 


ルフィを見ていたウタが話しかけた。

 


ウタ「私も筋トレやってみたい」

 


ルフィ「…おう。いいぞ」

 


ルフィ「なにやるか……」

 


ウタ「さすがにルフィがやってるのは無理だね……」

 


ルフィ「う〜ん……プランクやってみるか?」

 


ウタ「なにそれ!やってみる!」

 


ルフィ「こうゆうふうに、膝と足で支えて、体を板のようにするんだ」

 


ルフィは実際にやってみせた。

 


ルフィ「これをキープする」

 


ウタ「へぇ〜!」

 


ルフィ「何秒やる?30秒か、1分か…」

 


ウタ「2分!」

 


ルフィ「きついと思うぞ」

 


ウタ「頑張る!」

 


ルフィ「じゃあやってみるか」

 


ウタ「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィ「いくぞ〜…」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「3、2、1!」

 


ウタ「フッ!」

 


ルフィの合図でウタはプランクの姿勢をとった。

 


ルフィ「お腹上げて」クイッ

 


ルフィ「お尻下げて」クイッ

 


ウタ「う〜…!……きつい…!」

 


ルフィ「あと1分半」

 


ルフィはスマホのタイマーを使って時間を計っている。

 


ウタ「うう〜〜…!」プルプル…

 


ルフィ「頑張れウタ!」

 


ウタ「にぃ〜〜!」プルプル…

 


ピピピピッ

 


ルフィ「おしまい!」

 


ウタ「ぐえ〜〜」バタッ

 


ルフィ「頑張ったなウタ!」

 


ウタ「へへへ……よしよしして……」

 


ルフィ「頑張ったな」ナデナデ…

 


ウタ「お腹死んだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 


ウタ「次!」

 


回復が早かった。

 


ルフィ「じゃあ…スクワットやるか?」

 


ウタ「うん!」

 


その後ウタはプランクやスクワット以外にも、さまざまな筋トレを行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタ「う〜〜……疲れた〜。もう動けない〜〜」

 


ルフィ「よく頑張ったな。でもなんでやろうと思ったんだ?」

 


ウタ「………ルフィ頑張ってるから……」

 


ウタ「私も……私だって……ルフィのために……」

 


ルフィ「…そっか」

 


ウタ「……ルフィは、なにしてもらったら嬉しい?」

 


ルフィ「ウタが側にいてくれるだけで十分だ」

 


ウタ「そうゆうと思った」

 


ルフィ「でもウタはそれ以外で何かしたいんだろ?」

 


ウタ「…うん……」

 


ルフィ「ありがとな」

 


ウタ「うんん…」

 


ルフィ「でも本当に思いつかねえ。側にいてくれるし、歌も歌ってくれるし、めしもうめぇし」

 


ウタ「……そっか…」

 


ルフィ「あ。でも前の鞄は嬉しかったな」

 


ウタ「!」

 


ウタ「そっか…!」

 


ルフィ「ししし…!」

 


ウタ「えへへ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタはソファの上に寝転んでいた。

 


ウタ「疲れた〜〜……」

 


ルフィ「マッサージしようか?」

 


ウタ「マッサージ…!?…お願い」

 


ルフィ「よし」

 


スッ…

 


ブウウウン……

 


ウタ「あ〜……気持ちぃ〜……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 


ウタ「うわー…!体が軽くなった!ありがとねルフィ」

 


ルフィ「おう」

 


ウタ「ルフィのマッサージ、よく効くね」

 


ルフィ「覇気マッサージだ」

 


ウタ「覇気マッサージ?」

 


ルフィ「流桜……まあ武装色の応用だな」

 


ウタ「へえ〜」

 


ウタ「他にもなにかできるの?」

 


ルフィ「ん〜…たとえば…」カアッ!

 


ルフィは全身を硬化した。

 


ルフィ「武装色でこれができるだろ?」

 


ウタ「うん」

 


ルフィは硬化を解除し、ウタの腕を掴んだ。

 


ズズズズズズ…

 


するとウタの体が、掴んだところからみるみるうちに黒くなった。

 


ウタ「うわ〜!私も黒くなった〜!」

 


ウタ「洗面所行こ!」

 


ウタはルフィに掴んでもらったまま、洗面所の鏡で見てみた。

 


ウタ「全身真っ黒け!服まで……。これだと全部ガードできるの?」

 


ルフィ「まあな。でも万が一があるかもしれねェから、別の方法にするけど」

 


ウタ「たとえば?」

 


ルフィ「普通におれが弾いたり、抱いて避けたり……」

 


ルフィ「あとは……腕を伸ばして、その腕でドームを作って、それを硬化したり」

 


ウタ「へ〜」

 


ウタ「他にも武装色でなにかできるの?」

 


ルフィ「ん〜……外行こうか」

 


ルフィとウタは外に出た。

 


ビッ…!…ビッ…!

 


ルフィは一瞬消え、また現れた。

 


するとルフィはバスケットボールほどの大きな石を持っていた。

 


ルフィ「ウタこれ壊せるか?」

 


ウタ「むりだよ」

 


ルフィ「壊せる」

 


ルフィはまたウタの腕を掴んだ。

 


ウタ「あっ…!さっきみたいに私を武装するわけ?」

 


しかし今度は、ウタの体は黒くならなかった。

 


ウタ「?」

 


ルフィ「パンチしてみろ」

 


体も黒くなってないのに、こんな大きな石を壊せるのか不安だった。

 


しかしルフィを疑う気は毛頭ないので、ウタは言われた通りにしてみた。

 


ウタ「たぁ!!」ブン!!

 


バカン!!

 


ウタ「すご〜い!壊れた〜!」キャッキャッ

 


ルフィ「フッ」

 


ウタ「なんで!?手も痛くない!」

 


ルフィ「ウタの拳の周りに見えない覇気の層があるんだ」

 


ウタ「うん」

 


ルフィ「でもウタの腕力じゃ壊しきれないから、さらに流桜も併せたんだ」

 


ウタ「へー」

 


ルフィ「ややこしいよな。でも覇気鍛えるといろんなことができるようになるんだ」

 


ウタ「……すごいね。力だけじゃなく、覇気も鍛えてるんだ……」

 


ルフィ「ああ。あと能力もな」

 


ウタ「自由と……空想」

 


ルフィ「読んで気づいたけど、本ってまさに空想の世界だからな。おれの思いつく力も上がるんだ」

 


ウタ「……なんか…ルフィのためにってやろうとしたら…またルフィのすごさ知っちゃった」

 


ルフィ「………」

 


ウタ「……………」

 


ぐぎゅるるるる…!

 


ウタ「!」

 


ウタ「……ふふっ…!お昼ごはん作ってくるね!」

 


ルフィ「ああ…!頼むな…!」

 


タッタッタッ

 


嬉しそうに家に入っていくウタを見て、ルフィは静かに微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルウタ『私だって…ルフィのために…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィ「」グッ…グッ…

 


ウタ「………」

 


ルフィは今日も鍛練をしていた。

 


場所は家。

 


ウタ「ねえルフィ」

 


ルフィ「ん?」ピタッ

 


ルフィを見ていたウタが話しかけた。

 


ウタ「私も筋トレやってみたい」

 


ルフィ「…おう。いいぞ」

 


ルフィ「なにやるか……」

 


ウタ「さすがにルフィがやってるのは無理だね……」

 


ルフィ「う〜ん……プランクやってみるか?」

 


ウタ「なにそれ!やってみる!」

 


ルフィ「こうゆうふうに、膝と足で支えて、体を板のようにするんだ」

 


ルフィは実際にやってみせた。

 


ルフィ「これをキープする」

 


ウタ「へぇ〜!」

 


ルフィ「何秒やる?30秒か、1分か…」

 


ウタ「2分!」

 


ルフィ「きついと思うぞ」

 


ウタ「頑張る!」

 


ルフィ「じゃあやってみるか」

 


ウタ「おー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィ「いくぞ〜…」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「3、2、1!」

 


ウタ「フッ!」

 


ルフィの合図でウタはプランクの姿勢をとった。

 


ルフィ「お腹上げて」クイッ

 


ルフィ「お尻下げて」クイッ

 


ウタ「う〜…!……きつい…!」

 


ルフィ「あと1分半」

 


ルフィはスマホのタイマーを使って時間を計っている。

 


ウタ「うう〜〜…!」プルプル…

 


ルフィ「頑張れウタ!」

 


ウタ「にぃ〜〜!」プルプル…

 


ピピピピッ

 


ルフィ「おしまい!」

 


ウタ「ぐえ〜〜」バタッ

 


ルフィ「頑張ったなウタ!」

 


ウタ「へへへ……よしよしして……」

 


ルフィ「頑張ったな」ナデナデ…

 


ウタ「お腹死んだ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 


ウタ「次!」

 


回復が早かった。

 


ルフィ「じゃあ…スクワットやるか?」

 


ウタ「うん!」

 


その後ウタはプランクやスクワット以外にも、さまざまな筋トレを行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウタ「う〜〜……疲れた〜。もう動けない〜〜」

 


ルフィ「よく頑張ったな。でもなんでやろうと思ったんだ?」

 


ウタ「………ルフィ頑張ってるから……」

 


ウタ「私も……私だって……ルフィのために……」

 


ルフィ「…そっか」

 


ウタ「……ルフィは、なにしてもらったら嬉しい?」

 


ルフィ「ウタが側にいてくれるだけで十分だ」

 


ウタ「そうゆうと思った」

 


ルフィ「でもウタはそれ以外で何かしたいんだろ?」

 


ウタ「…うん……」

 


ルフィ「ありがとな」

 


ウタ「うんん…」

 


ルフィ「でも本当に思いつかねえ。側にいてくれるし、歌も歌ってくれるし、めしもうめぇし」

 


ウタ「……そっか…」

 


ルフィ「あ。でも前の鞄は嬉しかったな」

 


ウタ「!」

 


ウタ「そっか…!」

 


ルフィ「ししし…!」

 


ウタ「えへへ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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ウタはソファの上に寝転んでいた。

 


ウタ「疲れた〜〜……」

 


ルフィ「マッサージしようか?」

 


ウタ「マッサージ…!?…お願い」

 


ルフィ「よし」

 


スッ…

 


ブウウウン……

 


ウタ「あ〜……気持ちぃ〜……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 


ウタ「うわー…!体が軽くなった!ありがとねルフィ」

 


ルフィ「おう」

 


ウタ「ルフィのマッサージ、よく効くね」

 


ルフィ「覇気マッサージだ」

 


ウタ「覇気マッサージ?」

 


ルフィ「流桜……まあ武装色の応用だな」

 


ウタ「へえ〜」

 


ウタ「他にもなにかできるの?」

 


ルフィ「ん〜…たとえば…」カアッ!

 


ルフィは全身を硬化した。

 


ルフィ「武装色でこれができるだろ?」

 


ウタ「うん」

 


ルフィは硬化を解除し、ウタの腕を掴んだ。

 


ズズズズズズ…

 


するとウタの体が、掴んだところからみるみるうちに黒くなった。

 


ウタ「うわ〜!私も黒くなった〜!」

 


ウタ「洗面所行こ!」

 


ウタはルフィに掴んでもらったまま、洗面所の鏡で見てみた。

 


ウタ「全身真っ黒け!服まで……。これだと全部ガードできるの?」

 


ルフィ「まあな。でも万が一があるかもしれねェから、別の方法にするけど」

 


ウタ「たとえば?」

 


ルフィ「普通におれが弾いたり、抱いて避けたり……」

 


ルフィ「あとは……腕を伸ばして、その腕でドームを作って、それを硬化したり」

 


ウタ「へ〜」

 


ウタ「他にも武装色でなにかできるの?」

 


ルフィ「ん〜……外行こうか」

 


ルフィとウタは外に出た。

 


ビッ…!…ビッ…!

 


ルフィは一瞬消え、また現れた。

 


するとルフィはバスケットボールほどの大きな石を持っていた。

 


ルフィ「ウタこれ壊せるか?」

 


ウタ「むりだよ」

 


ルフィ「壊せる」

 


ルフィはまたウタの腕を掴んだ。

 


ウタ「あっ…!さっきみたいに私を武装するわけ?」

 


しかし今度は、ウタの体は黒くならなかった。

 


ウタ「?」

 


ルフィ「パンチしてみろ」

 


体も黒くなってないのに、こんな大きな石を壊せるのか不安だった。

 


しかしルフィを疑う気は毛頭ないので、ウタは言われた通りにしてみた。

 


ウタ「たぁ!!」ブン!!

 


バカン!!

 


ウタ「すご〜い!壊れた〜!」キャッキャッ

 


ルフィ「フッ」

 


ウタ「なんで!?手も痛くない!」

 


ルフィ「ウタの拳の周りに見えない覇気の層があるんだ」

 


ウタ「うん」

 


ルフィ「でもウタの腕力じゃ壊しきれないから、さらに流桜も併せたんだ」

 


ウタ「へー」

 


ルフィ「ややこしいよな。でも覇気鍛えるといろんなことができるようになるんだ」

 


ウタ「……すごいね。力だけじゃなく、覇気も鍛えてるんだ……」

 


ルフィ「ああ。あと能力もな」

 


ウタ「自由と……空想」

 


ルフィ「読んで気づいたけど、本ってまさに空想の世界だからな。おれの思いつく力も上がるんだ」

 


ウタ「……なんか…ルフィのためにってやろうとしたら…またルフィのすごさ知っちゃった」

 


ルフィ「………」

 


ウタ「……………」

 


ぐぎゅるるるる…!

 


ウタ「!」

 


ウタ「……ふふっ…!お昼ごはん作ってくるね!」

 


ルフィ「ああ…!頼むな…!」

 


タッタッタッ

 


嬉しそうに家に入っていくウタを見て、ルフィは静かに微笑んだ。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワンピース『一味の憂鬱』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日……

 


プルルルルル

 


ナミのスマホに電話がかかってきた。

 


ナミ「もしもし、ウソップ?」

 


ウソップ「おうナミ。明日みんなで集まらねえか?」

 


ナミ「いいわよ」

 


ウソップ「じゃあそういうことで」

 


チョッパー「またなー!」

 


ウソップの横にいたチョッパーが元気に言った。

 


プツッ

 


一味のみんなはそれぞれ別の家で暮らしているが、ウソップとチョッパー、ナミとロビンなど、他の家に泊まることもある。

 


以前はサンジ、ブルックが女子の家に泊まろうとしてしばかれたことがあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日…

 


ロビン「うふふ♡ウソップ。しばらく見ない間に鼻、長くなったんじゃないかしら?」

 


ロビンは冗談を言えるようになった。

 


ウソップ「なるか!それに一昨日会ったばっかだろ!」

 


そう。

 


一味はほぼ毎日集まっていた。

 


やはり船で海を航海していたときと同じように、みんなでいると居心地がいい。

 


ただふたりをのぞいて。

 


チョッパー「今日もルフィとウタはいないんだな……」

 


一味「………」

 


ルフィとウタを誘わないのは、ふたりを仲間はずれにしているわけでも嫌がらせでもない。

 


みんなの気遣いだ。

 


一味は正直、そんな頻繁に会う必要はない。

 


それぞれが、それぞれのしたいことをすればいい。

 


ただ昔はみんなと一緒にいるのが当たり前だった。

 


海賊団が解散しても、やはり1人でいるよりみんなでいたほうがいい。(ゾロは1人でもいいが、こないと今度会ったときにナミにしばかれるので来ていた)

 


だがルフィとウタは違う。

 


ふたりは夫婦。

 


なのでひとりになることはない。

 


ブルック「今頃あんなことやこんなことを……ヨホホ!」

 


ロビン「うふふ♡ロマンチックね♡」

 


サンジ「ぐうううう…(血涙)」

 


しかしウタももちろんそうだが、ルフィがいないと満たされない。

 


何かが欠けている感じなのだ。

 


みんなはルフィの仲間になり、知り合った。

 


ルフィがいなかったら、おそらく会うことはなかっただろう。

 


ルフィはいつでもみんなの中心にいたし、中心だった。

 


ルフィがいないと何もかも楽しくないと言うわけではないのだが、やはりルフィがいてこその、「元麦わらの一味(ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルック、ジンベエ、ウタ)」だ。

 


だから本当はみんなで集まりたい。

 


ジンベエ「じゃがふたりにはふたりの時間があるからのぉ」

 


たまにならいいかもしれないが、流石にほぼ毎日誘うわけにもいかない。

 


ここにいる全員が、ルフィとウタには幸せになってほしいと思っていた。

 


だけど会いたい。

 


一味はその葛藤に苛まれていた。

 


ゾロ「もういいだろ。前に会ったの1ヶ月前だぞ」

 


ロビン「そうね。会いに行きましょうか?」

 


ナミ「行っちゃう!?」

 


チョッパー「ルフィとウタに会えるのか〜!?」

 


ウソップ「うおおおおー!!」

 


フランキー「スーパーーーーだな!!ルフィに俺の新兵器を見せてやりてェ!!」

 


サンジ「ウタちゃわぃーーん♡♡」

 


普段は、元船長の嫁にはメロリンしないサンジだが、流石にテンションが上がる。

 


ジンベエ「わっはっは!」

 


ブルック「ヨホホホ!!記念にウタさんのパンツ…は見られないのでナミさん、パ—— バキィ!!

 


ルフィとウタに会いに行くことになって、みんなウキウキだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルフィとウタの家の前

 


ウソップ「ひさしぶりだな〜!」

 


フランキー「アウ!!」

 


ブルック「誰がチャイム押しますか?」

 


ウソップ「おれ押してえ!」

 


チョッパー「おれも〜!!」

 


ブルック「私も〜!!」

 


ぎゃいぎゃい

 


ゾロ「いいから押せ」

 


ジャンケンでチョッパーになった。

 


チョッパー「……」ドキドキ…

 


スーーー……

 


ポチッ

 


ピンポーン

 


チョッパー「…………………」

 


しーーーん……

 


チョッパー「」ポチッ

 


ピンポーン

 


しーーーん………

 


ウソップ「ん?」

 


チョッパー「みんな〜……留守みたいだ……(泣)」ショボーン…

 


ロビン「あら」

 


ナミ「ええウソ!?」

 


ウソップ「マジかよ!」

 


フランキー「まあ、家にいるとは限らなねェよな」

 


チョッパー「そんなァ〜!」

 


みんなのテンションはここ最近で1番下がった。

 


ジンベエ「おい、お前さんら…!」

 


一味「?」

 


ジンベエ「あっちを見てみい」

 


みんなはジンベエの指す方を見た。

 


チョッパー「あ!」

 


そこにはたくさんの荷物を持って、こっちに歩いているルフィとウタが見えた。

 


ルフィ「おお、お前ら」

 


ウタ「みんな〜!」

 


チョッパー「ルフィ〜!ウタ〜!」

 


ナミ「ひさしぶりね!」

 


サンジ「ウタちゃ〜ん♡」

 


ウタ「会いにきてくれたの!?」

 


ナミ「ええ!」

 


ロビン「元気そうね」ウフフ♡

 


ブルック「おふたりとも、頭につけてるものは…?」

 


ルフィとウタは頭にネズミの耳をつけていた。

 


ウタ「これ?ディ◯ニーランドで買ったカチューシャ!かわいいでしょ〜」

 


サンジ・ウソップ・チョッパー「可愛い〜!」

 


ナミ「遊園地か〜」

 


チョッパー「いいなぁ〜。おれ行きてえ」

 


ウタ「すっごく楽しかったよ!また行きたいな!」

 


ウタ「ところでみんなは何しに?」

 


ウソップ「あ〜…特に用はなかったんだけど……」

 


ウタ「だったらみんなで遊園地行かない!?」

 


ナミ「え!?でもあんたたち今行ってきたのよね!?」

 


ウタ「うん!もう一回行きたい!ね?ルフィ」

 


ルフィ「ウタが行きてえんならいいぞ」

 


ウタ「みんなもいいよね!?」

 


チョッパー「遊園地だ〜!」

 


ウソップ「イェーーイ!」

 


ブルック「ヨホホ!期待に胸が高鳴りますね〜!あっ、私高鳴る胸、ないんですケド〜〜〜!!」

 


フランキー「アーーウ!暴れるぜ〜〜!!」

 


ナミ「暴れるな!」

 


ウタ「決まり!じゃあ買ってきたもの家に置いてくるから待ってて!」

 


こうして、みんな揃って遊園地に行くことになった。

 

 

 

 


『安心しろ……おれがいる』に続く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルウタ『最強ルフィとウタの1日②』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【6:05】

 


チュンチュン

 


ウタ「…ンゥ……」モゾ…

 


パチッ…

 


朝……

 


ルフィ「おはよう。ウタ」

 


ウタ「……ん……」

 


ウタ「…はよう……ルフィ………」

 


ルフィ「ししし…」

 


ルフィは私より早くに目覚める。

 


前に、起きたらルフィがベッドにいなくて不安になってしまったことがあった。

 


だからルフィは、私が不安を感じないよう目を覚ますまで待ってくれている。

 


ウタ「えへへ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【6:10】

 


洗顔や歯磨き、スキンケアなど朝のルーティンをしていく。

 


それが終わったら、朝ごはんの準備。

 


ルフィの食べる量はすごいから、作るのに時間がかかる。

 


だから早く作り始めないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【7:50】

 


ルフィ「じゃあ行ってくるな」

 


ウタ「うん。いってらっしゃい」

 


ルフィは今から森に行く。

 


最近ルフィは小説を読んでいるんだけど、前に私が言ったように、外で読んだ方が捗るみたい。

 


ついでに外だったら、家の中ではできないような激しい運動もできるらしいからね。

 


読書も……運動も……全部……

 


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ルフィ「いくら強くなっても将来何が起こるかわからねえ」

 


ルフィ「だからおれは、強くなり続けなきゃいけねえんだ」

 


ルフィ「ウタを守るために」

 


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ありがとう…ルフィ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【7:52】

 


私も、ルフィになにかしてあげたいなぁ……

 


〈ウタは廊下を歩きながら思った。

 


なにをしたら喜んでくれるだろ……

 


う〜〜ん……

 


……やっぱりごはんかな……?

 


でもそれだといつもと同じだよね……

 


〈ウタは何となく冷蔵庫を開けた。

 


あっ…!もう食材が少なくなってきた…!

 


明日には買いに行かないと…!

 


…そうだ!

 


何かルフィに買ってあげよう!

 


プレゼント!

 


〈買い物、というより出かけるときはいつもふたり一緒。

 


〈そのためウタひとりで出かけたことはない。

 


〈そもそもルフィとウタにひとりの時間ができたのも、ルフィが小説を読み始めてからだった。

 


ルフィほとんどなんにも欲しがらないからね……

 


服もいつも同じやつだし……

 


本もそのまま手で持って行くし……

 


ハンカチもティッシュも全部ポケットに入れてるからぱんぱんだし……

 


〈ちなみにルフィがハンカチとティッシュを持って行くのは、「出かけるときはハンカチとティッシュは持つように」とウタが教えたからだ。

 


そうだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【12:15】

 


お昼ごはんができたからルフィを呼ぶために玄関に向かう。

 


ドアを開け、「ルフィー!ごはんできたよー!」と叫ぶと…

 


ビッ!

 


ルフィがすぐに帰ってきてくれる。

 


ウタ「ふふっ。おかえりなさい」

 


ルフィ「ただいま。腹減った」

 


ウタ「うん。食べよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【13:00】

 


家事は交代制で今日はルフィがする日。

 


ルフィ、飲み込みが早くて家事もあっという間に覚えてしまった。

 


私よりも………

 


………私と同じくらい手際がいい。

 


…………

 


……まあ正直なところ、私がやるよりもずっと早くに終わる。

 


洗濯(手洗い)、床掃除、トイレ掃除、お風呂掃除、玄関掃除、キッチン掃除、窓拭きなどなど……

 


全部併せて1分半。

 


…………スゴイネ。

 


1分半経つと、ルフィは手に真っ黒になった雑巾を3枚持ってるからちゃんとやってるんだよね。

 


…………………スゴイネ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【13:05】

 


ルフィは家中の掃除をして汚れてしまった。

 


お風呂に入る前にもう一回外に行って、運動するみたい。

 


午前中はずっと本読んでて、できなかったみたいだから。

 


私は………配信でもしようかな……

 


ちなみにファンのみんなは、私がルフィと結婚しているのを知っている。

 


みんな私たちを祝福して、応援してくれている。

 


ありがとね…みんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【17:30】

 


ごはんの前に、先にお風呂入ってもらうため、作っている途中でルフィを呼ぶ。

 


ウタ「ルフィー!」

 


ビッ

 


ウタ「お疲れ様。ルフィ」

 


ルフィ「飯はまだ途中か」

 


〈ウタはフライ返しを持ったままだった。

 


ウタ「うん。先にお風呂入っちゃって」

 


ルフィ「おう」

 


ルフィって外ではどんな運動してるんだろ……?

 


気になる……

 


ごはんのときに聞いてみよ。

 


ルフィ「エプロン可愛いな」

 


ウタ「…えっ…///あ…ありがとう…///」

 


ルフィ「ししし…!」

 


〈ルフィはお風呂へ向かった。

 


ウタ「…///」

 


ルフィ「料理焦げるぞー」

 


えっ…!あっ!やばい!

 


バタバタ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【18:00】

 


もぐもぐ…

 


さっき「可愛い」って言われて、嬉しかったからごはんができてもエプロンのまま。

 


ルフィ「うめー」バクバク

 


また…言ってほしいな………

 


…言ってくれるかな…………

 


ルフィ「ウタのエプロン姿可愛いな」

 


ウタ「///」

 


い…!言ってくれた……!///

 


嬉しい……///

 


ウタ「えへへ…///」

 


ルフィ「しししし」

 

 

 

 

 

 

 


もぐもぐ…

 


あ……そうだ……

 


ウタ「ルフィって外でどんなことしてるの?」

 


ルフィ「ん〜…いろいろやってんな」

 


ウタ「ふ〜ん…」

 


ルフィ「たとえば……全力で動いて、休んで、動いて、休んでを繰り返すのとか」

 


ウタ「へー」

 


ルフィ「HIIT ヒットって言うんだ」

 


ウタ「ひっと」

 


ルフィ「ああ」

 


何だかよくわからないけど、かっこいい名前だね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【20:00】

 


今はソファでくつろぎ中。

 


ウタ「ルフィ、本読むのどお?」

 


ルフィ「…嫌ではないな……。読んでるやつ冒険する話で、読んでるとおれも冒険してる気分になる」

 


ウタ「へ〜」

 


ルフィ、昔は自分自身の体験を大切にしていたけど、小説のような疑似体験も楽しめるようになったんだね。

 


私は昔、体よりも心の方が大事だと思っていた。

 


だけど今は、心も体も大事だと思っている。

 


だって………

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ルフィ「おやすみ。ウタ」ナデ…

 


ウタ「ん……」

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


ね…………

 


ウタ「あっ」

 


本の話で思い出した。

 


私はルフィの腕の中から出て、隠しておいたものを取りに行く。

 


ウタ「ルフィ!」

 


午前中に買っておいたものを背中に隠して、ルフィの前に出た。

 


ルフィ「なんだウタ」

 


ウタ「はい!プレゼントだよ!」ジャーン!

 


ルフィ「おー。なんだこれ」

 


ウタ「鞄!」

 


ウタ「ルフィ外に行くときの荷物、全部ポケットか手に持つでしょ。だから今度からそれ使って!」

 


ルフィは高速で移動することがある。

 


それにルフィに合ってると思ってランニングバッグを選んだ。

 


〈ルフィはチャックを開けたり、身につけたりして、使用感を試す。

 


ルフィ「いいなこれ」

 


ウタ「でしょ!本も入れられるよ!」

 


ルフィ「しししし!ありがとな、ウタ!」

 


ウタ「どういたしまして!」

 

 

 

 


おしまい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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