【6:05】
チュンチュン
ウタ「…ンゥ……」モゾ…
パチッ…
朝……
ルフィ「おはよう。ウタ」
ウタ「……ん……」
ウタ「…はよう……ルフィ………」
ルフィ「ししし…」
ルフィは私より早くに目覚める。
前に、起きたらルフィがベッドにいなくて不安になってしまったことがあった。
だからルフィは、私が不安を感じないよう目を覚ますまで待ってくれている。
ウタ「えへへ…」
【6:10】
洗顔や歯磨き、スキンケアなど朝のルーティンをしていく。
それが終わったら、朝ごはんの準備。
ルフィの食べる量はすごいから、作るのに時間がかかる。
だから早く作り始めないと。
【7:50】
ルフィ「じゃあ行ってくるな」
ウタ「うん。いってらっしゃい」
ルフィは今から森に行く。
最近ルフィは小説を読んでいるんだけど、前に私が言ったように、外で読んだ方が捗るみたい。
ついでに外だったら、家の中ではできないような激しい運動もできるらしいからね。
読書も……運動も……全部……
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ルフィ「いくら強くなっても将来何が起こるかわからねえ」
ルフィ「だからおれは、強くなり続けなきゃいけねえんだ」
ルフィ「ウタを守るために」
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ありがとう…ルフィ…
【7:52】
私も、ルフィになにかしてあげたいなぁ……
〈ウタは廊下を歩きながら思った。
なにをしたら喜んでくれるだろ……
う〜〜ん……
……やっぱりごはんかな……?
でもそれだといつもと同じだよね……
〈ウタは何となく冷蔵庫を開けた。
あっ…!もう食材が少なくなってきた…!
明日には買いに行かないと…!
…そうだ!
何かルフィに買ってあげよう!
プレゼント!
〈買い物、というより出かけるときはいつもふたり一緒。
〈そのためウタひとりで出かけたことはない。
〈そもそもルフィとウタにひとりの時間ができたのも、ルフィが小説を読み始めてからだった。
ルフィほとんどなんにも欲しがらないからね……
服もいつも同じやつだし……
本もそのまま手で持って行くし……
ハンカチもティッシュも全部ポケットに入れてるからぱんぱんだし……
〈ちなみにルフィがハンカチとティッシュを持って行くのは、「出かけるときはハンカチとティッシュは持つように」とウタが教えたからだ。
そうだ!
【12:15】
お昼ごはんができたからルフィを呼ぶために玄関に向かう。
ドアを開け、「ルフィー!ごはんできたよー!」と叫ぶと…
ビッ!
ルフィがすぐに帰ってきてくれる。
ウタ「ふふっ。おかえりなさい」
ルフィ「ただいま。腹減った」
ウタ「うん。食べよ」
【13:00】
家事は交代制で今日はルフィがする日。
ルフィ、飲み込みが早くて家事もあっという間に覚えてしまった。
私よりも………
………私と同じくらい手際がいい。
…………
……まあ正直なところ、私がやるよりもずっと早くに終わる。
洗濯(手洗い)、床掃除、トイレ掃除、お風呂掃除、玄関掃除、キッチン掃除、窓拭きなどなど……
全部併せて1分半。
…………スゴイネ。
1分半経つと、ルフィは手に真っ黒になった雑巾を3枚持ってるからちゃんとやってるんだよね。
…………………スゴイネ。
【13:05】
ルフィは家中の掃除をして汚れてしまった。
お風呂に入る前にもう一回外に行って、運動するみたい。
午前中はずっと本読んでて、できなかったみたいだから。
私は………配信でもしようかな……
ちなみにファンのみんなは、私がルフィと結婚しているのを知っている。
みんな私たちを祝福して、応援してくれている。
ありがとね…みんな。
【17:30】
ごはんの前に、先にお風呂入ってもらうため、作っている途中でルフィを呼ぶ。
ウタ「ルフィー!」
ビッ
ウタ「お疲れ様。ルフィ」
ルフィ「飯はまだ途中か」
〈ウタはフライ返しを持ったままだった。
ウタ「うん。先にお風呂入っちゃって」
ルフィ「おう」
ルフィって外ではどんな運動してるんだろ……?
気になる……
ごはんのときに聞いてみよ。
ルフィ「エプロン可愛いな」
ウタ「…えっ…///あ…ありがとう…///」
ルフィ「ししし…!」
〈ルフィはお風呂へ向かった。
ウタ「…///」
ルフィ「料理焦げるぞー」
えっ…!あっ!やばい!
バタバタ…
【18:00】
もぐもぐ…
さっき「可愛い」って言われて、嬉しかったからごはんができてもエプロンのまま。
ルフィ「うめー」バクバク
また…言ってほしいな………
…言ってくれるかな…………
ルフィ「ウタのエプロン姿可愛いな」
ウタ「///」
い…!言ってくれた……!///
嬉しい……///
ウタ「えへへ…///」
ルフィ「しししし」
もぐもぐ…
あ……そうだ……
ウタ「ルフィって外でどんなことしてるの?」
ルフィ「ん〜…いろいろやってんな」
ウタ「ふ〜ん…」
ルフィ「たとえば……全力で動いて、休んで、動いて、休んでを繰り返すのとか」
ウタ「へー」
ルフィ「HIIT ヒットって言うんだ」
ウタ「ひっと」
ルフィ「ああ」
何だかよくわからないけど、かっこいい名前だね。
【20:00】
今はソファでくつろぎ中。
ウタ「ルフィ、本読むのどお?」
ルフィ「…嫌ではないな……。読んでるやつ冒険する話で、読んでるとおれも冒険してる気分になる」
ウタ「へ〜」
ルフィ、昔は自分自身の体験を大切にしていたけど、小説のような疑似体験も楽しめるようになったんだね。
私は昔、体よりも心の方が大事だと思っていた。
だけど今は、心も体も大事だと思っている。
だって………
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ルフィ「おやすみ。ウタ」ナデ…
ウタ「ん……」
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ね…………
ウタ「あっ」
本の話で思い出した。
私はルフィの腕の中から出て、隠しておいたものを取りに行く。
ウタ「ルフィ!」
午前中に買っておいたものを背中に隠して、ルフィの前に出た。
ルフィ「なんだウタ」
ウタ「はい!プレゼントだよ!」ジャーン!
ルフィ「おー。なんだこれ」
ウタ「鞄!」
ウタ「ルフィ外に行くときの荷物、全部ポケットか手に持つでしょ。だから今度からそれ使って!」
ルフィは高速で移動することがある。
それにルフィに合ってると思ってランニングバッグを選んだ。
〈ルフィはチャックを開けたり、身につけたりして、使用感を試す。
ルフィ「いいなこれ」
ウタ「でしょ!本も入れられるよ!」
ルフィ「しししし!ありがとな、ウタ!」
ウタ「どういたしまして!」
おしまい。