L×U

様々な知識や小説、日記を投稿します。

ルウタ『ウタの初恋』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ウタ「♪」

 


休日、ウタは食料買い出しのために歌を口ずさみながら歩いていた。

 


ウタは世界的に有名な歌手で、「世界の歌姫」や「プリンセス・ウタ」と呼ばれている。

 


なのでマスクとメガネ、さらにフードをかぶって変装をしていた。

 


ウタ(明らかに怪しいけどこればかりはしょうがないよね…)

 


そして道中にある、昔ルフィとよく遊んでいた公園まで来た。

 


ふとその公園を見ると…

 


ウタ「!」

 


???「グスッ……グスッ……」

 


小学生くらいの女の子がブランコに座って泣いていた。

 


ダッ…!

 


ウタはすぐにその子に駆け寄り、宥めた。

 


数分後…

 


ウタ「落ち着いた…?」

 


???「はい……」

 


ウタ「あなたのお名前は?」

 


???「わたしはロミィって言います…」

 


ウタ「そっか……。ロミィちゃん。何があったのか教えてもらってもいいかな…?」

 


ロミィ「…………」

 


ウタ「話したくない…?」

 


ロミィ「…………」

 


ウタ「私、ロミィちゃんより年上だから少しは力になれると思うよ」

 


ロミィ「……」

 


ウタ「……」

 


ロミィ「わ……」

 


ウタ「!」

 


ロミィ「わたし、あこがれの人がいて……」

 


ウタ「うん」

 


ロミィ「知ってますか…?ウタちゃんって言う歌手……」

 


ウタ「!」

 


ロミィ「すっごく有名で、とっても歌が上手なんです」

 


ウタ「あ……う、うん知ってるよ…!」

 


ウタ(憧れの人って私!?)

 


ロミィ「ウタちゃんは自分の歌で世界中の人たちを幸せにしていて……わたしのあこがれなんです…!」

 


ウタ「うん……」

 


ウタ(照れるなあ……///)

 


ロミィ「だからわたしも…歌手になって……ウタちゃんみたいに……自分の歌でいろんな人を幸せにしたいと…思っていて………」

 


ウタ「そうなんだ……」

 


ウタ(嬉しいなぁ……)

 


ロミィ「でも……わたしにはウタちゃんのような歌のさいのうがなくて………毎日れんしゅうしてるけど………グスッ……上手くならないんです……」ポロポロ

 


ウタ「………」

 


ロミィ「もう………歌手を目指すの……やめようかな…………」ポロポロ

 


ウタ(!)

 


ウタ(……思い出した………!昔ここで……)

 


ウタ「諦めたらそこで終わりだよ!ロミィちゃん!」

 


ロミィ「…!」

 


ロミィ「…………でも………」

 


ウタ「ロミィちゃん」

 


ロミィ「?」

 


ウタ「ちょっと歌歌うから、聴いてもらっていい?」

 


ロミィ「歌……?」

 


ウタ「いくね………」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh」

 


ロミィ「えっ!?」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh」

 


流石に住宅街の中だったため、声量は小さくしていたが、マスクをしていてもその歌声はよく透き通っていた。

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh」

 


そして女の子は気づく。

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh」

 


目の前の人が自分の憧れの人だと。

 


ウタ「ダメだった うまくいかない」

 


ウタ「そんなことばかりよね」

 


ロミィ「………」

 


ウタは女の子に語りかけるように歌う。

 


ウタ「それでもね 進んでいくの」

 


ロミィ「!」

 


ウタ「ちゃんと前を向いて」

 


ウタ「間違えることでやっと」

 


ウタ「分かることだってあるから」

 


パチン♪

 


ウタは指パッチンをした。

 


ウタ「あきらめないでいこう♪」

 


——そんなのむりでしょ。

 


ウタ「どんなことがあったとしても♪」

 


ウタ「何度でもダメだとしても♪」

 


ウタ「向かっていけばいいよ♪」

 


ウタ「あきらめないでいこう♪」

 


——歌手になんてなれるわけないじゃん。

 


ウタ「どんなことがあったとしても♪」

 


ウタ「何度でもそう何度だって♪」

 


ウタ「向かっていけばいいよ♪」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタ「やるのよ♪」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタ「何度も♪」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタ「やるのよ♪」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタの素晴らしいリズム感がある歌声に、もはや伴奏まで聞こえてきそうだった。

 


ウタ「ねぇ平気よ うまくいくわ」

 


ウタ「がんばりすぎないでね」

 


ウタ「少しずつ進めばいい」

 


ウタ「できることをやるだけ」グッ…

 


ウタは拳を握りしめた。

 


ウタ「あきらめないでいこう♪」

 


——夢見すぎ。

 


ウタ「どんなことがあったとしても♪」

 


ウタ「何度でもダメだとしても♪」

 


ウタ「向かっていけばいいよ♪」

 


——あきらめたらそこでおわりなんだぞ。

 


ウタ「あきらめないでいこう♪」

 


ウタ「どんなことがあったとしても♪」

 


——ほかのやつなんかかんけーねえよ。

 


ウタ「何度でもそう何度だって♪」

 


ウタ「向かっていけばいいよ♪」

 


——ウタがなりたいんだから。

 


ウタ「失敗することでもっと」

 


ウタ「強くなっていくんだから」

 


ウタ「だからいいの」

 


——ししししし!

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタ「やるのよ♪」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタ「何度も♪」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタ「やるのよ♪」

 


ウタ「Oh, oh, oh, oh, oh♪」

 


ウタ「やってみるの」

 


ロミィ「………」ポロポロ…

 


ウタ「………」スッ…

 


ウタはマスクとメガネ、フードをとった。

 


ロミィ「ウタちゃん……」

 


ウタ「ロミィちゃん。私もね、昔ロミィちゃんみたいに歌手になるのを辞めようとしたことがあったの」

 


ロミィ「えっ…!」

 


ウタ「でもね。ある人に励まされたんだ」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


数年前……

 


公園でウタはブランコに座っていた。

 


ウタ「…グスッ………」

 


ルフィ「お〜〜い、ウタ〜〜!しょうぶしようぜ〜!」タッタッタッ

 


ウタ「!」

 


ウタ「………」ゴシゴシ…

 


ルフィ「どうしたんだ?」

 


ウタ「…………」

 


ルフィ「ないてたのか?」

 


ウタ「泣いてない………あっち行って」

 


ルフィ「やだ」

 


ウタ「なんで」

 


ルフィ「ウタがないてんのに、ほっとけねえよ!」

 


ウタ「……そ」

 


ウタ「…………」

 


ウタ「ねえルフィ」

 


ルフィ「ん?」

 


ウタ「私歌手になるのむりなのかな…」

 


ルフィ「?」

 


ルフィ「なんでだ?」

 


ウタ「今日学校でね……将来の夢を発表したの……歌手になって……世界中の人を幸せにするって………」

 


ルフィ「うん」

 


ウタ「そしたらみんなが……そんなのむりって…………できるわけないって………」

 


ルフィ「ふーーん」

 


ウタ「…………グスッ…」

 


ルフィ「で?」ハナホジホジ

 


ウタ「……ッ………だから…!私が歌手になるのはむりなんじゃないかって…!」

 


ルフィ「なればいいじゃねえか」

 


ウタ「は……?」

 


ルフィ「ほかのやつなんかかんけーねえよ。ウタがなりたいんだから」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「あきらめたらそこでおわりなんだぞ」

 


ウタ「!」

 


ルフィ「ウタ、うたのべんきょーすっげえがんばってるし」

 


ウタ「……」

 


ルフィ「おれウタのうただいすきだ!」

 


ウタ「!」

 


ルフィ「ししししし!」ニカッ

 


ウタ「…………ありがと……ル……

 


ぐうぅぅぅぅ…!

 


ウタ「………」

 


ルフィ「はらへった〜〜〜!」

 


ウタ「……………プッ」

 


ウタ「あはははははははは!」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ロミィ「………」

 


ウタ「それで諦めずに、頑張って努力して、今の私があるの」

 


ロミィ「………」

 


ウタ「だからロミィちゃんも諦めないで!」

 


ロミィ「……うん…!わたし、ウタちゃんのような歌手になるんだ…!ウタちゃんのように……みんなを幸せにするんだ…!」

 


ウタ「ふふっ…!その意気だよ!」

 


ロミィ「ありがとう、ウタちゃん。わたしがんばります!」

 


ウタ「うん!」

 


ロミィ「あ………あと……その……」

 


ウタ「?」

 


ロミィ「さ!サインください!」

 


ウタ「いいよ〜」

 


数年後、ロミィはウタの次に人気の歌手になる……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


_________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタスタ…

 


ウタ(私に憧れて歌手を目指してくれてる子がいたなんて………嬉しい……)

 


ウタ(しかも、私と同じように歌手になれるか悩んでた……)

 


ウタ(ルフィが私を励ましてくれたように……私もあの子を励ますことができたかな……)

 


ウタ(偶然だけど…私が昔悩んで座っていたブランコ……あの子が座ってたブランコだったなぁ……)

 


ウタ「…………」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ロミィ「……ウタちゃん」

 


ウタ「…ん?」カキカキ

 


ロミィ「さっき話してた人のこと好きじゃないですか?」

 


ウタ「えっ///……な…なんで…?///」

 


ロミィ「だってウタちゃん、その人の話してるときすごく生き生きしてたもん。いつも歌を歌っているときよりも」

 


ウタ「///」

 

 

 

 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 


ウタ「………///」

 


ウタ(私がルフィを好きになったのも……///あのときからかも……///)

 


——おれウタのうただいすきだ!

 


ウタ「ふふふ…!///」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本の暮らしを考えてデザインした掃除機【Shark(シャーク)】