ルフィ「ウタ」
ウタ「ん？どうしたのルフィ」
ルフィ「おれ本屋行きてえ」
ウタ「ええ！？」
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本屋
ルフィ「いろんな本があんな」
ウタ「う…うん……」
ウタ（ルフィが本………どうしたんだろう……）
ルフィ「……」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ…
ルフィは本屋を一通り見て回った。
ルフィ「…」
そして3冊ほど選んできた。
ウタ「そんなに買うの？」
ルフィ「ああ」
ウタ「それ……小説？」
ルフィ「そうだ」
ウタ「ふーん……」
家
ルフィ「さっそく読むか」
ウタ「私はご飯の用意するけど……気が散っちゃいそうだね」
ウタ「外で読んできたら？今日天気いいし！」
ルフィ「……ああ、そうする」
ルフィ「ウタ」
ウタ「？」
ルフィ「何かあったらすぐに呼べ。どこにいてもすぐに駆けつける」
ウタ「うん…ありがとう」
ルフィ「あともし声を出せねえんなら心の中で呼べ」
ウタ「え？」
ルフィ（こんなふうに）
ウタ「え！？…ルフィの声が聞こえる……！なんで…！？」
ルフィ「おれは万物の声を聞けるんだ」
ウタ「ば……ばんぶつ……？」
ルフィ「ああ。生き物も、そうでないものも、全てのものの声をな」
ウタ「そ……そうなの…！？」
ルフィ「ああ。それを応用してテレパシーのようなこともできる」
ウタ「す…すごい……」
ルフィ「危なくなったらすぐに呼べ。どんな時でも駆けつけるから」
ウタ「う…うん…！」
ウタ「ありがとうね、ルフィ」
ルフィ「ああ」
ルフィ「じゃあ、行ってくる」
ウタ「うん。行ってらっしゃい」
パタン…
ウタ（ルフィが本か………）
ウタ（なんで読む気になったんだろ……）
ウタ（帰ってきたら聞いてみよう）
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数十分後
ウタ（よし！ご飯できた！）
ウタ（ルフィ…は外にいるのか……まだ読んでるのかな………）
ウタ（ジャマしちゃうのはいやだけど……ご飯冷めちゃうし……）
ウタ（えー…っとケータイは……）
ウタ「！」
ウタ（そうだ…！ケータイ使わずに呼んでみよう！）
ウタ（心の中で呼んでみる……？）
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ルフィ「もし声を出せねえんなら心の中で呼べ」
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ウタ（でも今は声出せるからね……）
ウタ（ルフィーーーー！！！って叫ぶのかな……まさか普通に呼んでくるわけないよね）
ウタ「……ルフィ！きて！」
ビッ！
ルフィ「どうしたウタ」
ウタ「うわ！！」ﾋﾞｸｩ!
ウタ（ええぇ！？うそでしょ！？あれで聞こえるの！？てかいつのまに！？）
ウタが出した声量は、せいぜい今いる部屋に響くぐらいで、外には聞こえないほどのものだった。
ウタ「ル、ルフィ部屋にいたの！？」
ルフィ「いいや。森にいた」
ウタ「森！？さっきの聞こえたの！？」
ルフィ「ああ」
ウタ「ルフィ瞬間移動とか使えたっけ！？」
ルフィ「いいや」
ウタ「じゃあどうやったの…！？」
ルフィ「どうやったって…走った」
ウタ「！？！？」
ウタ「ど………どんなスピードよ…………」
ルフィ「まあな。それより飯か？」
ウタ「う…うん………ご飯できたから……」
ルフィ「そっか」
ウタ「ジャマしちゃった…？」
ルフィ「全然」
ルフィ「言っただろ。何かあったら呼べって。気にするな」
ウタ「うん…」
ルフィ「手洗ってくるから」
ウタ「うん」
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ルフィ「ごちそうさま」
ウタ「どうだった？」
ルフィ「すげえ美味かった。ウタは料理も上手だな」
ウタ「えへへ…ありがとっ！」
ルフィ「ししし」
ウタ「……ねえルフィ？」
ルフィ「ん？」
ウタ「なんで本なんて読もうと思ったの？」
ルフィ「…前に覇気のこと教えただろ？」
ウタ「うん。なんかいろいろ種類があるって…」
ルフィ「その中の１つの見聞色の覇気はな、冷静じゃないと使えないんだ」
ウタ「へぇ〜」
ルフィ「だから精神を鍛えたくてよ。本読んだら鍛えられると思うんだ」
ウタ「でももうすでにルフィ世界一強いじゃん。もうそんなに強くならなくてもいいんじゃない？」
ルフィ「………おれは強さが自慢だった」
ウタ「…？」
ルフィ「剣術は使えないし」
ルフィ「航海術も持ってないし」
ルフィ「料理も作れねえ」
ルフィ「ウソもつけねえし」
ルフィ「医学もないし」
ルフィ「考古学もない」
ルフィ「船も作れないし」
ルフィ「楽器も弾けねえし」
ルフィ「カナヅチで」
ルフィ「歌も上手くねえ」
ルフィ「…でも強さには自信があった」
ウタ「うん……」
ルフィ「コルボ山で鍛えて……仲間ができても守れると思った」
ルフィ「でも何回も負けた」
ウタ「……」
ルフィ「次は守れるようにと新しい技 ギア2・3も考えたけど、それでも守れなかった」
ルフィ「レイリーの元で修行した後も何度も負けた」
ウタ「…うん……」
ルフィ「いくら強くなっても将来何が起こるかわからねえ」
ルフィ「だからおれは、強くなり続けなきゃいけねえんだ」
ルフィ「ウタを守るために」
ウタ「ルフィ……」
ルフィ「………」
ウタ「ありがとう……私のために……」
ルフィ「ああ」
ウタ「……」
ルフィ「ウタ」
ウタ「？」
ルフィ「お前は絶対におれが守る」
ウタ「…！」
ウタ「うん…！」
終
