ロビン「素敵よ」
ルフィ「ありがとう」
ブルック「ルフィさんの歌う姿もっと見たいですね!」
ウソップ「もういっそのこと、ずっとルフィが歌ってればいいんじゃねえか!?」
ゾロ「おう。そんでいいじゃねえか」
サンジ「マリモは歌うのがめんどくせえだけだろ」
ジンベエ「ルフィにばかり歌わせるのは…」
ルフィ「…まあ…おれはいいけど」
ウソップ(よかったー。ビンクスの酒とかだったらまだしも、選曲いい上に、あんだけ上手い後に歌ったら恥かくぜ…)
チョッパー「次はなに歌うんだルフィ!?」ワクワク
ルフィ「みんな知ってるやつにするかな」
チョッパー「?」
♫〜♫〜♫
ルフィがタブレットで歌う曲を選び、音楽が流れ始めた。
ナミ(これって……)
みんなはマリンフォード編で流れていた曲と気づいた。
[モニターには映像が流れ、土砂降りの雨が降
っていた。]
[その雨の中に人が立っていた。]
一味「!!」
[それはルフィだった。]
[しかも、昔の麦わら帽子に赤のシャツではな
く、現在の服をきていた。]
[雨で服や髪は濡れている。]
[下を向いているためか、ルフィの目が見え
なかった。]
全体的に暗い映像だったため、みんなは不安を抱いた。
[One day]
[モニターにはOne dayの文字が出た。]
[雨が止み、水たまりに水滴が落ちる。]
ルフィ『雨上がりの空を 仰ぐ度』
[暗雲が晴れていき、ルフィは空を見上げ
た。]
ルフィ『泣き虫だった頃の…僕を想う…』
[その空に7歳の頃の泣いているルフィが映
る。]
ルフィ『誰かの背中を がむしゃらに 追いかけた』
[9歳のウタ……10歳のサボ…エース……そし
て27歳のシャンクスの後ろ姿が…順番に映
る。]
ルフィ『「強くなりたい」って』
[空を仰いでいるルフィの顔に一粒の雨が落
ち、それが頬を伝った。]
[まるでルフィが泣いているように見えた。]
ルフィ『今は風に消えた「ありがとう」』
[コルボ山での10年間……]
[ルスカイナ島での2年間……]
ルフィ『僕は強くなれているのかな?』
[そして現在の修行の日々が流れる。]
ルフィ『答えはまだ出そうにないからさ』
[ルフィは手を出し…自身の手を見た……。]
ルフィ『やっぱりまだ 歩いていくよ』
[そして握りしめ……前を向いた。]
[と同時にルフィの目を隠していた影が消え、
ルフィはゆっくりと歩み出した。]
ルフィ『さぁ行こう 立ち止まることなく』
[アーロン、クロコダイル、エネル、ルッチ、
モリアなど…]
ルフィ『流れる時に負けないように』
[これまでルフィが倒してきた敵たちが、ルフ
ィが歩いている道にいた。]
ルフィ『何度も 立ち向かい続けよう』
[ルフィはふたたび、手を握りしめる。]
[その手を見た後、前を向き、そして…]
ルフィ『大切なもの ゾロ・ナミ・ウソップ・サンジ失いたくないから チョッパー・ロビン・フランキー・ブルック・ジンベエ』
[一味のみんなが映った。]
♫〜♫〜♫
[間奏で場面は夕暮れになる。]
ルフィ『夕暮れに舞う 鳥のように』
[夕焼けに染まった空をコンゴウインコが飛
んでいた。]
ルフィ『見えない明日を 探してる』
[ルフィはそれを見ながら歩く。]
ルフィ『つまずきながら 恐くても』
[すると前を見ていなかったためにつまずく
が、]
ルフィ『足元に 目は落とさないよ』
[視線は真っ直ぐに前を向き、また歩き出し
た。]
ルフィ『諦める言葉は 転がってるけど』
[背景がどす黒いものに変わり、石のようなも
のが当たるところに転がっていた。]
[そのなにかには負の言葉が浮き出ていた。]
[それらはルフィに対し、囁きかけるが…]
[ルフィはそれに気にも留めず、前を向き、歩
き続ける。]
ルフィ『諦めないゴールは一つだけ』
[視線の先には小さな光があった。]
ルフィ『喜び』
[仲間たちとの宴。]
ルフィ『悲しみ』
[ウタが突然いなくなった日。
自分のせいでシャンクスが腕を失った日。
サボが死んだと聞かされた日。
仲間を消された日。
目の前でエースを失った日。]
ルフィ『乗り越えては』
[そして過去の、サニー号の船首に座るルフィ
の後ろ姿が映る。]
ルフィ『少しずつ 歩いてくよ』
[ルフィは歩くスピードを上げた。]
[どす黒い背景は消え、夜になっていた。]
ルフィ『果てしない 空に手をかざそう』
[雲ひとつない満点の星空に手をかざす。]
ルフィ『たった一つの未来を信じながら』グッ…!
ルフィは人差し指を出した後、拳を握りしめた。
ルフィ『戻らない 時はうつろうけど』
[7歳のルフィ。
17歳のルフィ。
19歳のルフィ。
それぞれのギア(2、3、バウンドマン、タン
クマン、スネイクマン、5)を発動させたル
フィ。
そして星の下を歩くルフィが順番に映され
る。]
ルフィ『大切なもの失いたくないから シャンクス・サボ・マキノ・村長・ダダン一家』
[シャンクス、サボ、マキノ、村長、ダダン、
ドグラ、マグラが映った。]
ルフィ『僕の中に流れる声は』スッ…
[ルフィは目を閉じた。]
歌っているルフィも、モニターに映る自分と同じようにゆっくりと目を閉じる。
ルフィ『ずっと…ずっと…』
[「——お前なら必ずやれる…!おれの弟
だ…!!」]
ルフィ『僕を支えている…』
[「——無いものは無い!!確認せい!お前に
まだ残っておるものは何じゃ!!」]
ルフィ『イタズラな雨が邪魔するけど』
[「——どんな理由があろうと!!おれは友達
を傷つける奴は許さない!!!」]
ルフィ『逃げ出さないから』
[「——作ろう…!"新時代"!!!」]
ルフィ『Oh…!』パチッ
[ルフィのこれまでの人生で、特に心に残っ
ており、今でもずっと大切にしている場面が
映った後、画面が白くなった。]
目を閉じながら歌っていたルフィは、強い想いを抱きながら目を開けた。
ルフィ『さぁ行こう…!』
[一瞬白くなったと思ったら、星の下を歩いて
いたルフィは転んでおり、地面は沼のよう
に、周りもどす黒くなっていた。]
ルフィ『立ち止まることなく…!』
[沼のようなものに足を取られながらも、ルフ
ィは先に見える小さな光に向かって走り出
す。]
ルフィ『流れる時に負けないように…!』
[地面からは無数の手が出てきて、ルフィを捕
らえようとする。]
[その手を跳ね除け、ルフィは進み続ける。]
ルフィ『何度も…!立ち向かい続けよう…!』スッ…!
[その光に手を伸ばしながら。]
そして…歌っているルフィも…
ルフィ『大切なもの失いた ウタくないから…!』
[光の先には、かつてルフィが被っていた麦わ
ら帽子を持った、笑顔のウタがいた。]
ルフィ『信じたその先へと…』
♫〜♫〜♫
ルフィ「………」
フランキー「うおおおん…!」ポロ…ポロ…
ブルック「ウゥ…」ポロポロ…
ナミ「ゥ…!」ポロッ…
チョッパー「うわぁぁぁん…!」ポロポロ
ロビン「………」
ルフィは最初から強かったわけではない……
ウソップ「…ッ…!」ポロッ
血の滲むような努力をしてきたのだ……
サンジ「………」
家族を……
ジンベエ「………」
友達を……
ゾロ「………」
仲間を……
ウタ「うぇぇぇん…!」ポロポロ
大切な人を……守る為に……
ルフィ「………」
続く……